5日午前の日経平均株価は大幅に続落した。
午前の終値は前週末比565円51銭安の2万2709円02銭だった。
前週末に米国で発表された1月分の雇用統計で平均時給が伸び、物価上昇圧力の高まりが意識されて米長期金利が上昇。「緩和的な金融環境が支える株高」という構図の終わりが意識され、東京以外のアジア株も軒並み安。「世界的に株式マーケットはリスク回避の流れになっている」という。
日経平均の下げ幅は取引時間中に一時600円を超えた。オプション価格をもとに算出し、予想変動率を示す日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)が大幅に上昇し、「日経平均の値動きが荒くなることを警戒し、国内機関投資家は株価指数先物に売りを出した」という。
5日のアジア株式市場も全面安の展開で、投資家心理を冷え込ませた。株価指数先物が下落し、値がさ株には裁定取引の解消に伴う売りが出た。
市場では、「前場の日経平均株価は売り一巡後もじりじりと水準を切り下げており、押し目を拾うという雰囲気はあまりない。買いは業績面で好材料が出た銘柄などごく一部にとどまっており、日経平均は後場も下値模索の展開が続くかもしれない」との見方があった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)もそれぞれ続落した。
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆8463億円、売買高は10億982万株だった。東証1部の下がり銘柄数は1974と、全体の約96%を占めた。
値上がりは73、変わらずは18銘柄だった。
個別では、1月の国内既存店売上高が低調だったファストリが下げた。
2017年4~12月期が最終赤字だった板硝子は大幅に下落した。三井不や菱地所の下げも目立った。任天堂が安く、キーエンス、ファナックなども安い。グランディハウス、フジクラ、日本板硝子などが急落、みらかホールディングス、日本コークス工業なども大幅下落した。
一方、通期業績予想を上方修正したソニーとホンダは上昇した。17年4~12月期の決算を前週末に発表した宇部興も買われた。富士フイルムホールディングスも堅調。アイスタイル、GSIクレオス、ショーワなどが値を飛ばしている。
東証2部株価指数は、前週末比159.69ポイント安の7495.03ポイントと続落した。値上がり銘柄数は29、値下がり銘柄数は467となった。
個別では、技研ホールディングス、アルデプロが昨年来安値を更新。Oakキャピタル、大和自動車交通、カワタ、平和紙業、サイバーステップが売られた。
一方、森組、ノザワ、トリニティ工業、兼松エンジニアリングが昨年来高値を更新。D.A.コンソーシアムホールディングス、日住サービス、MCJ、大同信号、赤阪鐵工所が買われた。
個別では、~。
