55ドル安と反落、消費者物価の発表控え様子見

8日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前週末比55ドル69セント(0.2%)安の3万3618ドル69セントで終えた。

 
米連邦準備理事会(FRB)の調査で米銀行の貸し出し態度が厳しくなっていることが分かり、企業活動の悪化につながるとの懸念が出た。半面、経営不安に揺れる地域銀行株への買い戻しは米株相場を支えた。
 
4月のCPIの内容次第では、相場に影響を与えるFRBの金融政策が左右されるとの見方から、CPIへの関心が高まっている。ロイター通信の予想によると、食品とエネルギーを除く4月のコアCPI指数は前月比0.4%上昇(3月は0.4%上昇)、前年同月比5.5%上昇(同5.6%上昇)という。
 
FRBが8日に発表した1〜3月期の融資担当者調査によると、大企業・中堅企業の商工業ローン向けの貸し出し基準は前回の調査に比べ厳しくなった。企業の資金調達環境が悪化することで、米景気の冷え込みにつながるとの懸念が相場の重荷となった。
半面、米地銀株の上昇は投資家心理の悪化に歯止めをかけた。パックウエスト・バンコープは財務の補強を目的に減配すると発表し、株価は一時30%上昇した。米規制当局が空売りなど金融株の取引規制を検討するとの思惑が市場で意識されたこともあり、ウエスタン・アライアンス・バンコーポレーションやザイオンズ・バンコーポレーションも上昇した。
 
 
ダウ平均の構成銘柄ではドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスや工業製品・事務用品のスリーエムが下落した。一方、今週に決算発表を控える映画・娯楽のウォルト・ディズニーは上昇。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスも買われ、相場を支えた。
 
 
ナスダック総合株価指数は続伸した。前週末比21.505ポイント(0.2%)高の1万2256.918で終えた。ネット検索のアルファベットや半導体のエヌビディアが上昇した。
 


【シカゴ日本株先物概況】

8日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前週末比50円安の2万9050円で終えた。
4月の米消費者物価指数(CPI)が10日に公表されるのを前に様子見姿勢が広がった。米銀の貸し出し基準の厳格化が米景気を冷やすとの観測から8日のNYダウ工業株30種平均が下落し、日経平均先物にも売りが優勢となった。

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
29050 ( +100 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
29065 ( +115 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

国王戴冠式後のバンクホリデーで休場

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15952.83(-8.19)

8日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に反落した。前週末に比べ8.190ポイント(0.1%)安の1万5952.83で終えた。8日発表のドイツの3月の鉱工業生産指数が前月比3.4%低下した。市場予想以上に低下し、相場の重荷となった。前週末5日に1年4カ月ぶり高値を付けていたため、目先の利益を確定させる売りも出た。ミュンヘン再保険、メルクの下げが目立った。一方、コメルツ銀行やドイツ銀行などの上昇は支えとなった。

個別では、コメルツ銀行が1.5%高で上昇率トップ。ハノーバー再保険は1.41%、BMWは1.28%それぞれ買われた。一方、製薬大手メルクは2.51%下落したほか、ミュンヘン再保険は2.31%安、ポルシェも1.52%安と売られた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7440.91(+7.98)

フランスCAC40種指数は0.11%高だった。

 

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