一方、人工知能(AI)需要で業績への追い風が強まるとの見方からハイテクや半導体株への買いが続いた。9日午後にはロイター通信が画像処理半導体のエヌビディアがクラウド事業者などのカスタム半導体の設計を手がける部門の設立に動いていると報じた。ダウ平均ではソフトウエアのマイクロソフトや半導体のインテル、IT(情報技術)のIBMなどが買われた。
ダウ平均は寄り付き直後には小幅に上げる場面もあった。米労働省が9日に発表した米消費者物価指数(CPI)の年次改定結果で、2023年12月の前月比の上昇率が0.3%から0.2%に下方修正された。インフレが再加速するとの警戒感が和らいだ。
S&P500種株価指数は4日続伸し、前日比28.70ポイント(0.57%)高の5026.61と過去最高値で終えた。終日、節目の5000を上回って推移し、相場上昇に乗り遅れまいとする投資家の買いを誘った面があった。
ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比196.949ポイント(1.24%)高の1万5990.664と21年11月以来の高値で終えた。エヌビディアを中心に半導体株の上昇が目立った。ネット通販のアマゾン・ドット・コムも高かった。
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
銀行・保険といった金融株や素材株に売りが出て、指数を下押しした。不動産投資信託(REIT)も下げた。半面、情報関連サービスのRELXなどの商業・専門サービスやエネルギー株が買われ、指数を下支えした。
FTSEの構成銘柄では、商業用不動産大手ランド・セキュリティーズと産金大手フレスニロがいずれも3.35%安、再保険大手リーガル・アンド・ゼネラルが3.11%安、資源大手グレンコアが2.96%安と売られた。一方、包装資材大手DSスミスは2.46%高、賭け屋大手エンテインは2.42%高、投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスは1.91%高だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
不動産株が下げたほか、化学大手のBASFなど素材株にも売りが出た。9日のパリ株式市場で化粧品大手のロレアル株が大幅安となり、ドイツでも化粧品メーカーのバイヤスドルフ株に売りが波及した。一方で医薬品などヘルスケア関連の銘柄には買いが入った。
DAXの構成銘柄ではないが、商業用不動産向け融資を手掛ける中堅銀行のドイツ・ファンドブリーフバンク株には売りが続いた。9日まで5日続落し、週間では約18%下げた。
■フランス・パリ株価指数
