24日午前の日経平均株価は大幅に続落した。午前終値は前日比530円06銭(1.83%)安の2万8465円86銭だった。東証株価指数(TOPIX)は43.56ポイント安の1927.92と、ともに大幅続落。
前日の米国市場を映して素材など景気敏感業種の下落率が大きかった。また、銀行株は「どちらかと言えば景気敏感である上、米長期金利の低下も重しになった」とされ、軒並み下落した。寄り付きの売買が一巡した後は押し目買いが入って下げ渋ったが、買いは続かず、中盤以降は下値模索の展開となった。
香港や中国などのアジア株が軒並み下げたことで、日経平均は下げ幅を拡大した。
東証1部銘柄の9割が下落するなど全面安商状の中、逆行高となったのが半導体製造装置株の一角だ。インテルが約200億ドルを投じてアリゾナ州に製造拠点を設け受託生産事業に乗り出すとの方針を発表し、関連株に思惑買いが入った。
特に値がさの東エレクの上げ幅が大きく、1銘柄だけで日経平均を70円前後押し上げた。東エレク上昇の効果もあり、景気敏感株の売りが重しとなったTOPIXほど日経平均の下落率は広がらなかった。
市場からは「欧州でのコロナ変異種拡大への警戒感は強く、欧米と中国との対立も懸念される。買い材料がなく、来月のSQ(特別清算指数)算出日に向けて下げ基調になるのではないか」との声が聞かれた。
東証1部の出来高は8億3164万株、売買代金は1兆6058億円。騰落銘柄数は値上がり114銘柄、値下がり2049銘柄、変わらず28銘柄。
業種別株価指数は33業種すべて下落し、空運業、海運業、鉱業、鉄鋼、銀行業、証券・商品先物取引業の下落率が大きかった。
個別では、ソフトバンクグループが安く、ファーストリテイリングの下値模索も続いている。日本航空が大幅安、トヨタ自動車、ソニーなども安い。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクの下げもきつい。マネックスGは大幅続落。わかもと製薬は連日のストップ安でウリ気配に張り付いている。JAL、ANA、JR東海も大きく押された。
半面、東京エレクトロン、レーザーテック、ニコンなど半導体関連が買われた。ダントーホールディングスが物色人気となったほか、イオンは小幅高。アスクル、ウエルシアホールディングスなども高い。
東証2部株価指数は前日比127.46ポイント安の7414.14ポイントと続落した。
出来高1億1242万株。値上がり銘柄数は56、値下がり銘柄数は373となった。
個別ではウェルス・マネジメント、リミックスポイント、マーチャント・バンカーズ、コメ兵ホールディングス、リードが売られた。
一方、松尾電機がストップ高。日本フェンオール、グローバルダイニング、中央魚類は昨年来高値を更新。さいか屋、平和紙業、中央ビルト工業、TVE、丸尾カルシウムが買われた。
