529円安と続落、中東情勢の緊迫で見送りムード

16日午前の日経平均株価は続落し、前引けは前週末比529円21銭(1.64%)安の3万1786円78銭だった。
 
きょう前場はリスク回避ムードの強い地合いとなった。前週末の欧米株市場が総じて見送りムードとなったことを受け目先筋の売りがかさんだ。中東情勢の緊迫化を背景に原油価格の高騰などが嫌気されている。海外投資家の先物を絡めた売り圧力が顕在化するなか、市場のセンチメントが悪化しハイテク・機械セクターなどを中心に値を下げる銘柄が目立つ。日経平均は一時600円を超える下げをみせ、その後やや下げ渋ったものの、前引け時点で3万2000円を割り込んでいる。プライム市場の86%の銘柄が下落した。
 
前週末13日の米株式市場でナスダック総合株価指数が下落した。中東緊迫を受けた原油先物価格の上昇で、インフレが再燃するとの懸念が売りを促した。東京株式市場でも主力の半導体関連などに売りが波及した。イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への地上戦準備が伝わるなか、情勢を見定めたいとして株式の保有を減らす動きが広がった。
 
日経平均は下げ幅を縮める場面もあった。円安・ドル高基調を背景に輸出関連や海外事業比率の高い銘柄の一角には下値で買いが入った。原油高で資源関連の一角にも資金が向かった。
 
中国・上海株式市場も、中国景気の先行きや中東情勢を巡る不透明感が根強く、軟調に推移している。
 
中東の地政学リスクは引き続き不安定材料として横たわっている。地上戦への移行で戦線の拡大が懸念されており、ブルームバーグ・エコノミクスによれば中東で紛争が拡大すれば世界的なリセッション(景気後退)につながる恐れがあるとの見方もある。
イスラエルはパレスチナ自治区ガザでの「大規模な地上作戦」を準備していることを明らかにしており、実際に地上侵攻すればイランの関与を招く可能性がある。一方で米国は、ここ数日にイランと非公式ルートで協議を実施しているようで、ブリンケン米国務長官は16日にイスラエルを再び訪問して協議を実施する予定。
バイデン米大統領も、イスラエルのネタニヤフ首相との電話会談での招待を受けて、数日中の同国訪問を検討しているという。ひとまず、イスラエルの地上侵攻の動向を注視して見守る必要があろう。
 
 


 
東証株価指数(TOPIX)は29.46ポイント安の2279.29と、続落して午前の取引を終えた。JPXプライム150指数も続落し、前引け時点で15.56ポイント(1.54%)安の997.11だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6905億円、売買高は6億6030万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1584と、全体の8割以上を占めた。値上がりは225、変わらずは27銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は空運業、機械、陸運業、海運業などが下落。上昇は、鉱業、石油・石炭製品など。
 
個別では、川崎汽船が軟調、日経平均への寄与度が高い東京エレクトロン、アドバンテスト、ソフトバンクグループ(SBG)がなども売りに押された。ダイキン工業、三菱重工業なども安い。メルカリが値を下げ、セブン&アイ・ホールディングスも下落した。DDグループはストップ安ウリ気配、ベイカレント・コンサルティングも大幅安だった。
 
半面、前週末に決算を発表した良品計画が大きく買われ、三井物やINPEXも逆行高となった。キヤノンも高い。IDOMが値を飛ばし、ヨシムラ・フード・ホールディングスも大幅高。セラクも物色人気となった。

 

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