12日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前週末比528ドル58セント(1.6%)高の3万4005ドル04セントで終えた。
前週に953ドル下げており、13日の11月の米消費者物価指数(CPI)や14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表といった重要日程を控えて、景気敏感株などに持ち高調整目的の買いが入った。引けにかけて上げ幅を広げ、この日の高値で終えた。
朝方は米主要経済指標の公表もなく、材料難の状況。前週は景気後退をめぐる懸念が広がり、売られやすい展開が続いたが、この日は最近売り込まれていた原油が値を戻す中、経済に対する過度な警戒感が後退した。
今週のCPI発表とFOMC声明、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見への注目度が高いが、ダウは取引序盤からこのところ売られた銘柄を中心に買い戻しが先行した。堅調な値動きを維持した後、終盤に一段高となり、6営業日ぶりに3万4000ドル台を回復して取引を終えた。
このところ売られていた景気敏感株が買い直された。アナリストが目標株価を引き上げた航空機のボーイングが上昇、建機のキャタピラーも高い。クレジットカードのビザや同業のアメリカン・エキスプレスなど消費関連株も買われた。スマートフォンのアップルなどハイテク株も上げた。
ナスダック総合株価指数も反発し、前週末比139.121ポイント(1.3%)高の1万1143.738で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムが上昇し、エヌビディアなど半導体株も総じて高い。
【シカゴ日本株先物概況】
12日のシカゴ日経平均先物は続伸した。2023年3月物は前週末比250円高の2万7995円で引けた。今週の米消費者物価指数(CPI)、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて買い戻しが入り、反発した。同日の米株式相場が上昇し、日経平均先物にも買いが波及した。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27995 ( +225 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28025 ( +255 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7445.97(-30.66)
12日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前週末に比べ30.66ポイント(0.41%)安の7445.97で引けた。中国の主要都市で新型コロナウイルスの感染拡大への不安が再燃しており、中国経済の先行き不透明感が需要懸念を強め、資源株に売りが出た。
個別では、指数構成銘柄の4分の3が下落。小売大手フレイザーズ・グループが3.8%安と最も下げが大きく、産金大手フレスニロが3.2%安、同業エンデバー・マイニングが3.0%安で続いた。一方、米マイクロソフトとの提携を発表したロンドン証券取引所グループは3.0%高となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14306.63(-64.09)
12日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反落し、前週末に比べ64.09ポイント(0.45%)安の1万4306.63で終えた。欧米中銀による積極的な金融引き締め継続への警戒感が強く、金融株や素材株など景気敏感株を中心に売りが出た。
個別では、医療サービス大手フレゼニウス・メディカルケアが2.4%安、ドイツ取引所が2.2%安、化学大手BASFが2.1%安と売られた半面、通販大手ザランドは5.1%高と急伸した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6650.55(-27.09)
フランスCAC40種指数は0.41%安だった。
手掛かり材料に乏しい中、13日の米消費者物価指数(CPI)や、14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えて警戒ムードが強まった。
