5日 米国▪︎欧州株式概況

〔米株式〕ダウ大幅反落、一時1100ドル超安=原油急騰で心理悪化

5日のNYダウ工業株30種平均は大幅反落した。前日比784ドル67セント安の4万7954ドル74セントと2025年12月中旬以来の安値で終えた。中東情勢の緊迫を背景に原油先物相場が再び上昇の勢いを強めた。中東での軍事衝突が長期化するとの懸念からも投資家のリスク回避姿勢が強まり、ダウ平均は1100ドルあまり下げる場面があった。

イランからの報道によると、同国の精鋭軍事組織「革命防衛隊」は同日、ペルシャ湾北部で米国の石油タンカーを攻撃したと発表。エネルギーの供給不安が広がり、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米国産標準油種WTIが81ドル台に急伸し、2024年7月以来、約1年8カ月ぶりの高値水準を付けた。

トランプ政権は対策を検討しているとみられるが、輸送回復には時間がかかるとの見方が出ている。
原油先物の期近物は前週末比で約2割上昇した。エネルギー高は米景気や企業業績の逆風となり、インフレは米連邦準備理事会(FRB)の利下げを遅らせる可能性がある。米景気の先行き不透明感が強まった。

中東での衝突が長期化するとの警戒も投資家心理を冷やした。米・イスラエルが攻撃を拡大するなか、イランは湾岸諸国のエネルギー施設や空港などへの報復攻撃を続けている。イラン革命防衛隊は5日にペルシャ湾で米国の石油タンカーをミサイル攻撃したと発表したことも伝わった。イランのアラグチ外相は5日に米NBCテレビに対し、「イランは停戦を求めていない」と述べた。

原油先物相場が時間外取引で伸び悩み、ダウ平均は下げ幅を縮小して終えた。米財務省が早ければ5日にもエネルギー価格高騰への対応策を発表すると午後にロイター通信が報じた。原油先物市場を通して価格操作などに動く可能性があるという。

ダウ平均の構成銘柄ではゴールドマン・サックスやキャタピラー、メルク、ウォルマートなどの下げが目立った。シャーウィン・ウィリアムズやハネウェル・インターナショナルも安い。一方、シェブロンが上昇した。セールスフォースとIBMも買われた。

ナスダック総合株価指数は反落した。終値は前日比58.498ポイント(0.25%)安の2万2748.986だった。アプライドマテリアルズ(AMAT)など半導体製造装置株が売られた。

一方、前日夕に発表した四半期決算や見通しが市場予想を上回った半導体のブロードコムが上昇した。27年の人工知能(AI)半導体の売上高が1000億ドルを超えるとの見通しを示し、成長期待が強まった。ソフトウエア関連株の一角にも買いが入った。

〔ロンドン株5日 反落〕

5日の英FTSE100種総合株価指数は反落し、前日比153.71ポイント安の1万0413.94と3週間ぶりの安値で終えた。5日のアジア株高を支えにFTSE100種指数も上昇する場面があったが、原油先物への買いが強まると、投資家が再び慎重姿勢を強めた。

エネルギー高をきっかけに幅広いモノ・サービスで物価上昇圧力が強まれば、英イングランド銀行(中央銀行)の利下げペースが鈍るとの見方も重荷となった。

金融や鉱業株に売りが優勢だった。航空機エンジン大手ロールス・ロイス・ホールディングスに売りが膨らむなど、防衛・航空関連や空運株が下げた。他方、英シェルなど石油株への買いはFTSE100種指数を下支えした。2025年12月通期決算を発表した一部銘柄にも買いが入った。

〔ドイツ株5日 反落〕

5日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比389.61ポイント安の2万3815.75で終えた。朝安後に上昇へ転じる場面があったが、午後にかけて再び下げに転じた。原油先物への買いが強まると、投資家が慎重姿勢を強めた。

中東地域の情勢に不安が根強い。原油や天然ガスの値上がりがエネルギー以外の物価へ波及すれば、欧州の景気回復の足を引っ張りかねないとの警戒感もくすぶる。5日の米国株相場が下げ幅を広げる場面があり、投資家心理を冷やした。

独ラインメタルなど防衛・航空関連や自動車、銀行株が下げた。2025年10〜12月期の売上高が市場予想を下回った医薬・化学大手の独メルクが大幅安。25年12月通期決算を5日発表した国際物流の独DHLグループが下げた。一方で、ソフトウエアの独SAP、スポーツ用品大手アディダスが上昇した。化学株の一角が買われた。

欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は反落し、前日比1.49%安で終えた。終値は8045.80と25年12月10日以来の安値となった。

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