4日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比198ドル77セント(0.6%)安の3万3402ドル38セントで終えた。
午前に発表された2月の米雇用動態調査(JOLTS)は、非農業部門の求人数が993万1000件と、市場予想の1040万件を下回り、2021年5月以来の低水準となった。2月の米製造業受注も前月比0.7%減と、市場予想の0.5%減を下回った。
序盤にもみ合っていた株価は、これらの統計を受けて売り優勢に転換。資本財やエネルギー、金融などの景気敏感株が下げを主導した。
3日には3月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が20年5月以来の水準に低下しており、弱めの経済指標が続いたことで米景気の先行き不透明感が強まった。
JOLTSの発表後に米長期金利の指標である10年債利回りは0.1%あまり水準を切り下げ、3.3%台前半に低下する場面があった。長期金利の急低下を受けて、年後半に米景気が後退局面に陥るリスクが意識されたとの声もあった。サウジアラビアなど一部産油国が2日に自主減産を決め、米原油先物相場が続伸したのも景気の重荷として嫌気された。
ダウ平均は325ドル安まで下げ幅を広げる場面があった。建機のキャタピラーが5%あまり下げ、1銘柄でダウ平均を80ドルほど押し下げた。化学のダウなども下げ、景気敏感株が全般に売られた。一方、バイオ製薬のアムジェンなど業績が景気に左右されにくいディフェンシブのヘルスケア関連などは上げ、ダウ平均は小高くなる場面もあった。
ナスダック総合株価指数は続落し、前日比63.126ポイント(0.5%)安の1万2126.327で終えた。電気自動車のテスラの下げが続いた。
【シカゴ日本株先物概況】
4日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比115円安の2万8090円で引けた。
NYダウは弱い内容だった米経済指標を嫌気して売られ、5営業日ぶりに反落した。
米景気の先行き不透明感から米株式相場が下落したのを受けて日経平均先物にも売りが出た。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28090 ( -170 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28155 ( -105 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7634.52(-38.48)
4日のFTSE100種総合株価指数は7営業日ぶりに反落した。前日に比べ38.48ポイント(0.50%)安の7634.52で終えた。前日までの6営業日で3%強上昇しており、目先の利益を確定する目的の売りが出た。前日に買われていたエネルギー株や銀行株の下落が目立った。
個別では、建機レンタルのアシュテッド・グループが5.7%安と最も大きく売られ、化学大手ジョンソン・マッセイが3.4%安、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが2.8%安で続いた。産金大手フレスニロは2.9%高、大衆医薬品のヘイリオンは2.6%高、資源大手グレンコアも1.7%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15603.47(+22.55)
4日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に反発した。前日に比べ22.55ポイント(0.14%)高の1万5603.47で終えた。欧州中央銀行(ECB)が4日公表したユーロ圏の消費者予測調査では、緩やかながら消費者のインフレ期待の鈍化傾向が続いた。インフレへの過度な警戒感が和らぎ、投資家心理を支えた。公益事業株の一角や不動産株が上昇した。
個別では、医薬大手メルクが2.3%高、日用品大手ヘンケルが1.9%高、エネルギー大手イーオンが1.6%高となった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7344.96(-1.00)
フランスCAC40種指数は0.01%安だった。
原油需要への懸念が強まり、石油株などに売りが出る一方、医薬などディフェンシブ株は堅調だった。
