462ドル高と反発、パウエル氏の9月利下げ明示で

23日のNYダウ工業株30種平均は反発した。前日比462ドル30セント(1.13%)高の4万1175ドル08セントと、最高値(4万1198ドル)を付けた7月17日以来の水準に浮上した。
 
パウエル議長は23日行った講演で、金融政策を転換する「時機が到来した」と述べ、9月の利下げ開始を明確にした。
米長期金利低下への期待から、半導体大手エヌビディアやアップル、テスラなどを中心に大半の銘柄が買われた。不動産や住宅関連、中小型株にも積極的な買いが入った。
 
9月の米政策金利の引き下げ幅が0.25%となる確率が6割超、0.50%の確率が3割超織り込まれている。投資家からは「9月初めに発表される米雇用統計で失業率が上振れすれば、0.50%の利下げ観測が高まる」との見方が聞かれた。
発言を受け、米長期金利は前日終値(3.85%)より低い3.80%程度に低下。金利と比べた株式の相対的な割高感が薄れたのも主力株への買いを誘った。
 
シカゴ連銀のグールズビー総裁は同日の米CNBCの番組で、パウエル議長の講演について「我々が待ち望んでいたことのすべてが起こるための道筋」を示したと語った。
米経済が大幅な悪化を避けられるとの見方から株買いが膨らんだ。市場では「パウエル議長が経済の鈍化を懸念していると述べなかったことも好感された」との指摘があった。ダウ平均は取引時間中に最高値を上回る場面があった。

個別では、ホーム・デポやキャタピラー、ダウなど景気敏感株が上昇した。セールスフォースやゴールドマン・サックスも買われた。一方、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)とビザは下げた。

ナスダック総合株価指数は反発した。前日比258.440ポイント(1.46%)高の1万7877.794で終えた。テスラやエヌビディアが大幅高となった。

S&P500種株価指数は反発し、前日比63.97ポイント高の5634.61と7月中旬以来の高値で終えた。

 

NYダウ    41175.08 ( +462.30 )
S&P500    5634.61 ( +63.97 )
NASDAQ  17877.79 ( +258.44 )
米10年債利回り  3.799 ( -0.055 )

NY(WTI)原油   74.83 ( +1.82 )
NY金      2546.3 ( +29.6 )
VIX指数    15.86 ( -1.69 )

 

 


【シカゴ日本株先物概況】
 

23日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比280円高の3万8330円で終えた。
NYダウ平均は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が9月の利下げ開始を明示したことでリスク資産の株を買う動きが強まり、反発した。
同日の日経平均株価が上昇し、米利下げ期待から米株式相場も反発した。日米株高を受けて、シカゴ市場の日経平均先物が買われた。

 

シカゴ日経225先物 (円建て)
38330 ( -80 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38365 ( -45 )
 
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

23日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸し、前日比39.78ポイント(0.47%)高の8327.78で終えた。英国時間の同日午後、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で利下げに前向きな姿勢を示した。発言内容を受けて米株式市場で主要な指数が上げ幅を広げる場面があり、投資家心理を上向かせた。

FTSEの構成銘柄では、小売り大手のJDスポーツ・ファッションが5.22%高、B&Mヨーロピアン・バリュー・リテールが3.08%高と相場をけん引。産銅大手アントファガスタも2.68%高と買われた。一方、投資会社メルローズ・インダストリーズはUBSの売り推奨を受けて7.10%安と急落。会計ソフト大手セージが2.00%安、情報サービス会社RELXが0.60%安で続いた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数

23日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸し、前日比139.71ポイント(0.75%)高の1万8633.10で終えた。ユーロ圏でのインフレ鈍化の傾向を背景に欧州中央銀行(ECB)が9月にも追加利下げに動くとの観測が出ているところに、米国でも9月に利下げが決まるとの観測が重なり、リスク資産とされる株式の買いを支えた。

DAXを構成する40銘柄のうち37銘柄が上昇した。

個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが2.71%高、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが1.84%高、不動産大手ボノビアが1.83%高と上伸した半面、高級車メーカーのポルシェは0.74%安、業務用ソフトウエア大手SAPは0.47%安、分子診断大手キアゲンは0.33%安で取引を終えた。

 

■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は反発し、前日比0.70%高の7577.04と7月下旬以来、1カ月ぶりの高値で終えた。

 

 

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