46ドル高と反発、CPI発表控え様子見

11日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前週末比46ドル97セント(0.12%)高の3万8769ドル66セントで終えた。
 
この日は、これまで相場を主導した米半導体大手エヌビディアやIBMなどハイテク銘柄が利益確定の売りに押され、相場が軟調に推移。ダウの下げ幅は一時240ドルを上回った。一方、12日の2月の米消費者物価指数(CPI)の内容を見極めたいとの思惑や、米景気を巡る楽観論が改めて意識され、ダウは引けにかけて上昇した。
 
ダウ平均は下げて始まった後、主力株への売り一巡後に下げ渋り、上昇に転じた。今週は2月のCPIや米卸売物価指数(PPI)、同小売売上高などが発表される。1月分の指標と同様に根強いインフレ圧力や消費減速を示すとの警戒感があった。一方、インフレ鈍化や消費の底堅さが確認されて投資家心理を支える可能性も意識された。
ダウ平均ではユナイテッドヘルス・グループやナイキ、ウォルト・ディズニーなど業績不透明感から今年に入って下げている銘柄や相場上昇に出遅れ感のある銘柄が買われた。アップルやインテルも高かった。
 
ダウ平均の構成銘柄ではないがエヌビディアが一時4%弱下げた。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やメタプラットフォームズも売られた。ダウ平均の構成銘柄ではIBMやアマゾン・ドット・コムなどの下げが目立った。

ボーイングの下落もダウ平均の重荷となった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが9日、1月に起こったアラスカ航空の運航するボーイング機の事故を巡って米司法省が捜査を開始したと報じた。

ナスダック総合株価指数は続落した。前週末比65.839ポイント(0.40%)安の1万6019.274で終えた。メタとAMDがともに4%あまり下落した。一方、アルファベットとテスラは上げた。

 
 

【シカゴ日本株先物概況】
 

11日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前週末比605円安の3万8180円で終えた。この日は日経平均株価が800円あまり急落し、2021年6月以来の下げ幅を記録した。
12日に2月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控える中、NYダウ平均は反発した。
ただ、エヌビディアなど米半導体株の下げが続き、シカゴ市場で日経平均先物には売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
38180 ( -350 )


シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
38265 ( -265 )

 
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7669.23(+9.49)
 
11日のFTSE100種総合株価指数は反発し、前週末比9.49ポイント(0.12%)高の7669.23で終えた。

FTSE100種指数は朝方は下げて始まった。重荷となっていた英豪リオティントなどの資源株やエネルギー株が下げ幅を縮めたのも、指数の支えとなった。

FTSEの構成銘柄では、前週公表した2023年12月通期決算を踏まえて一部金融機関が目標株価を引き上げた自動車保険のアドミラル・グループが4.86%高と上昇率トップ。アントファガスタが3.14%高、製薬会社ヒクマ・ファーマシューティカルズが2.94%高と続いた。

一方、保険会社セント・ジェームズ・プレイスは3.55%安、エネルギー大手SSEは2.24%安だった。

FTSE100種指数の構成銘柄以外では、家電量販の英カリーズ株の下落が目立った。カリーズに買収を提案していた米投資ファンドのエリオット・マネジメントが、買収への取り組みから撤退すると11日に公表したことが売り材料となった。
 
 
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 17746.27(-68.24)

11日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前週末比68.24ポイント(0.38%)安の1万7746.27で終えた。米半導体株安を受け、半導体大手の独インフィニオンテクノロジーズ株が下落した。ソフトウエアのSAP株も下げるなど、テクノロジー関連の銘柄に売りが優勢だった。

一部金融機関が目標株価を引き下げたと伝わった自動車部品のコンチネンタルの株価下落も目立った。一方で、不動産関連株には買いが入った。 

個別では、自動車部品大手コンチネンタルが4.53%安、化学品商社ブレンタークが2.76%安、通販大手ザランドが2.52%安と売られた半面、不動産大手ボノビアが2.79%高、製薬大手バイエルが2.07%高と買われた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 8019.73(-8.28)

フランスCAC40種指数は0.10%安だった。米消費者物価指数(CPI)の発表を12日に控えて動きづらい展開となった。

 

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