24日午前の日経平均株価は反落し、午前終値は前日比454円07銭(1.16%)安の3万8649円15銭だった。
前日のNYダウが605ドル安と今年最大の下げ幅を記録したことを嫌気する売りが膨らんだ。5月の米国の購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を上回る内容となり、米国の早期利下げ期待が後退した。ナスダック指数も下落した。これを受け、日経平均株価は売り先行となり、一時700円を超える下落となる場面があった。前日急伸した半導体関連株に利益確定売りが膨らんだほか、商社や不動産株などが安い。
23日発表された週間の米新規失業保険申請件数は市場予想を下回った一方、S&Pグローバルが同日発表した5月の米購買担当者景気指数(PMI)速報値は製造業、サービス業とも市場予想を上回った。堅調な米経済を背景としたインフレ圧力の根強さからFRBの利下げは先になるとの見方が強まり、東京株式市場でもリスク資産の持ち高を減らす動きが優勢だった。
米エヌビディアの決算を好感した前日の株高の反動や米長期金利の上昇から、東エレクやレーザーテクといった高いPER(株価収益率)の半導体関連株を中心に売られた。ただ、売り一巡後は外国為替相場の円安・ドル高進行などを支えに株価指数先物に買い戻しも入り下げ渋った。
市場関係者は「足元の日本株を取り巻く環境は強弱の材料が交錯しており、上がれば売り下がれば買う状況だ。短期的なレンジの上限となっている3万9000円近辺では利益確定売りが出やすい」とみていた。
為替が1ドル157円台まで円安ドル高が進行している。4月29日、5月1日の政府・日本銀行と思われる円買い介入後、約3週間ぶりに157円台をつけた。昨晩の米国経済指標の強さもあるが、イエレン米財務長官が「為替介入は日常的に使われる措置ではない」とくぎを刺したことで、3回目の介入実施が難しいとの思惑が円安ドル高の原動力となっている。 市場では円安を株高材料とするムードは弱く、上昇する金利とともに為替の円安進行も積極的な売買を手控えさせる様子見材料とみなしているようだ。本日の東京市場は大幅安にも関わらず、前場のプライム市場の売買代金が2.1兆円に留まっていることから押し目の弱さも気になるところだ。後場の日経平均は、再度下げ幅を広げる展開に警戒したい。
東証株価指数(TOPIX)は反落し、前引けは11.11ポイント(0.40%)安の2743.64だった。JPXプライム150指数も反落し、6.58ポイント(0.54%)安の1209.30で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆1251億円、売買高は7億3499万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は961。値上がりは606、横ばいは82だった。
業種別では、電気機器、情報・通信業、証券・商品先物取引業、不動産業、鉱業などが下落した一方、電気・ガス業、鉄鋼、ゴム製品、非鉄金属、海運業などが上昇した。
個別銘柄では、レーザーテックやアドバンテスト、東京エレクトロンが安く、TOWAやソフトバンクグループ(SBG)が値を下げた。ファーストリテイリング、富士電機が安く、三菱商事や三井物産が軟調。三菱地所が下落した。
半面、ルネサスエレクトロニクスが高く、日立製作所や三菱電機が堅調。フジクラ、資生堂が値を上げた。
