22日午前の日経平均株価は前営業日比45円83銭安の2万1563円09銭、東証株価指数(TOPIX)は1.75ポイント安の1612.64と、いずれも小反落となった。
前日の米国株式市場でハイテク株が上昇したことを受けて、半導体関連株や電子部品株が買われた。米半導体大手マイクロン・テクノロジーが今年下期にメモリー市場が回復するとの見通しを示したことで、東京株式市場でもハイテク株が人気を集めた。
日経平均株価は前営業日終値から100円超上昇して始まった。ただ、休日前に比べて為替が円高に進んだため買いが続かず、寄り付きが天井となった。
米連邦準備理事会(FRB)が20日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で年内の利上げを見送る姿勢を示した日米金利差縮小への思惑から円相場が1ドル=110円台後半に上昇し、投資家心理の重荷になった。
国内債の利回りが軒並み低下し、低金利環境が長期化するとの懸念で金融株が売られ、相場全体を押し下げた。
また、開発中のアルツハイマー型認知症の治療薬候補の臨床試験を中止すると発表したエーザイに失望売りが膨らんだ。アステラスや大塚HDなど他の医薬品株にも売りが波及した。
市場からは「エーザイを中心に売りが広がり、医薬品株の下げが厳しい。銀行株もさえず、半導体関連株の上昇で指数は支えきれない。ただ、医薬品株売りは短期的であくまでも個別的な事情であり、来週は新年度入りをにらんだ動きに期待したい」との声が聞かれた。
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆2697億円、売買高は6億5120万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1101、値上がりは924、変わらずは114銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では、医薬品、空運業、銀行業の下落が目立った。上昇は鉱業、不動産業、精密機器など。
個別では、ソニーや昭電工、第一生命が下落した。トレンドやT&D、DMG森精機も下落した。武田薬品工業も売りに押された。ファーストリテイリングが安く、コマツも値を下げた。三菱UFJフィナンシャル・グループも冴えない。ゼンリンが急落、シーイーシーも大きく売り込まれた。
半面、ソフトバンクグループが堅調、キーエンス、SMC、安川電機などFA関連が値を飛ばした。スズキの上昇が目立った。東京エレクトロン、スクリンや太陽誘電も上げた。このほか、廣済堂、クスリのアオキホールディングス、システム情報などが大幅高に買われた。
東証2部株価指数は前営業日比14.08ポイント高の6895.71ポイントと続伸した。
出来高2702万株。値上がり銘柄数は209、値下がり銘柄数は198となった。
個別では、ウェルス・マネジメントがストップ高。川澄化学工業は一時ストップ高と値を飛ばした。金下建設、理経、大丸エナウィンなど4銘柄は昨年来高値を更新。サイバーステップ、インテリジェント ウェイブ、ニーズウェル、セーラー万年筆、児玉化学工業が買われた。
一方、石井表記、省電舎ホールディングス、ピーエイ、DNAチップ研究所、コメ兵が売られた。
