428ドル高、大幅続伸 習主席発言で米中貿易戦争の懸念が後退

10日のNYダウ工業株30種平均は前日比428ドル90セント高の2万4408ドル00セントと続伸で終えた。
中国の習近平国家主席が、自動車の関税引き下げなど市場参入の大幅緩和に言及し、米中貿易摩擦への懸念が後退するとアジア・欧州株がほぼ全面高、米国株にも買いが先行した。原油高に加えて、主要企業決算への期待から終日大幅上昇となった。
 
自動車の関税引き下げや金融市場の開放、外資の過半出資を認める方針などを示した。航空機のボーイングと建機のキャタピラーへの買いが目立ち、2銘柄でダウ平均を120ドル近く押し上げた。中国での業績拡大への期待から自動車のゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーター、テスラも買われた。
 
原油先物相場が大幅に上昇し、エクソンモービルやシェブロンなど石油株にも買い膨らんだ。米長期金利が上昇し利ざやが改善するとの期待から金融株も買われた。ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースが2%近く上昇し、指数を押し上げた。
 
ナスダック総合株価指数は前日比143.957ポイント高の7094.301で終えた。アップルやマイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、アルファベット(グーグル)など主力株が上昇した。利用者の個人情報の流用問題を巡り最高経営責任者(CEO)が10日に議会証言に臨んだフェイスブックは4%超の大幅高で終えた。
 
セクター別では、半導体・半導体製造装置やエネルギーが上昇する一方で公益事業や不動産が下落した。
 
個別では、アナリストが投資判断を引き上げた画像用半導体(GPU)のエヌビディアが買われた。決済管理システムのベリフォン・システムズ(PAY)は、プライベート・エクイティ(PE)に34億ドルで売却合意し、50%超の急騰。。通信大手のスプリント(S)とTモバイル(TMUS)は、合併交渉を再開したことが報じられ、ともに上昇した。
 
一方、アナリストが投資判断を引き下げた菓子のハーシーには売りが優勢だった。
 
VIX指数は20.47と低下(前営業日21.77)。
懸念されていた米中貿易戦争は中国側の歩み寄りにより回避される可能性が高まり、米株式市場は買い優勢で主要3指数とも大幅に続伸した。リスク選好地合いに、VIX指数も20.24まで低下。しかし、一時500ドル高超まで強含んでいたダウ平均が伸び悩むと、VIX指数も20前半では下げ渋った。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,408.00+428.90
S&P500種
2,656.87+43.71
ナスダック
7,094.301+143.957
 
米10年債利回り(%)
2.8027 +0.017
米2年債利回り(%)
2.311 +0.025
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,345.90+5.80   
NY原油(ドル/バレル)
65.51±0.00
円・ドル
107.17 – 107.18   +0.27
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は続伸した。
6月物は前日比245円高の2万1840円で終え、大阪取引所の終値を20円下回った。
中国の習近平国家主席の10日の講演を手がかりに米中貿易摩擦への懸念が後退し、米株式とともに買われた。
同主席は外資への国内市場の開放や車の関税を引き下げる方針を示し、投資家心理が改善した。
この日の6月物の高値は2万1960円、安値は2万1530円。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21840 ( -20 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21865 ( +5 )
( )は大阪取引所終値比比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7266.75(+72.00)
FTSE100種総合株価指数は続伸。前日9日の終値に比べ72.00ポイント高の7266.75で引けた。構成銘柄の約8割が上昇した。
 
米中貿易摩擦の懸念が後退し、投資家心理が改善した。米株の上昇に伴い、午後に入り幅広い銘柄に買いが広がった。
銅と原油相場の大幅な上昇を背景に鉱業株と石油株が高くなった。ともに全面高で引けた。なかでも鉱業のアングロ・アメリカンとアントファガスタが4~5%上昇し、指数の上げを主導した。前日急落したロシアの鉄鋼大手エブラズも買い戻された。
 
個別銘柄では教育事業のピアソン、郵便大手のロイヤル・メールなどの上げが目立った。
 
半面、総合公益会社のユナイテッド・ユーティリティーズ、水道のセバーン・トレントなど公益事業株が軒並み安くなったほか、医薬品のシャイアーも下げた。時価総額の大きいたばこ株も売りに押された。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12397.32(+135.57)
ドイツ株式指数(DAX)は大幅続伸。終値は前日9日と比べて135.57ポイント高の12397.32だった。医薬・農薬大手のバイエルが大幅高となったほか、自動車株が買われ、指数をけん引した。
 
個別銘柄では、バイエルは米当局が米種子大手モンサントの買収を承認したとの一部報道をきっかけに買われた。
フォルクスワーゲンを筆頭に自動車株は全面高。中国が自動車の輸入関税を引き下げる方針との報道が買い材料視された。
 
一方、アナリストが目標株価を引き下げた消費財のヘンケルやドイツ銀行、電力株が下落。
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5307.56(+44.17)

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