42円安と小幅続落 米ハイテク株安

 
8日午前の日経平均株価は小幅に続落し、前日比42円51銭(0.13%)安の3万1871円23銭で終えた。
きょう前場は、方向感の乏しい展開で前日終値を挟んだ狭いゾーンでのもみ合いとなった。前日の米国株市場では主要株価指数が高安まちまちの展開でNYダウは続伸したものの、ナスダック総合株価指数は反落した。東京株式市場でもハイテク株への利益確定売りが上値を押さえている。ただ、押し目買いも活発で下値抵抗力も発揮している。主力株の一角に押し目買いが入って上げに転じる場面もあった。個別株も高安まちまちで、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数がいずれも880前後で拮抗した状況にある。
 
7日の米ハイテク株安が相場の重荷となった。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長引くとの見方が広がり、ナスダック総合株価指数は前日比1.3%安で終えた。東京市場でもネクソンやエムスリー、キーエンスなど高PER(株価収益率)株の売りにつながった。
 
日経平均は7日に前日比593円安と今年2番目の下げ幅で終えていた。きょうは海外の短期筋による株価指数先物の買い戻しのほか、主力株の一部に押し目を狙った買いが入って、上げ幅は一時100円を超えた。米国で認知症薬の完全承認への期待が高まったエーザイが大幅高となって下値を支えた。
 
前日に発表された中国5月貿易収支では、輸出がドルベースで前年同月比7.5%の減少と、市場予想(1.8%減)を大きく上回る落ち込みだった。今後、各国主要中銀による利上げの累積効果が表れてくることを考えると、景気敏感株を積極的に買うという動きが長続きするとは考えにくい。世界的な利上げも再燃しているなか、世界景気が底入れしたと考えるのは難しいと思われる。目先は株式市場の調整色が強まる可能性が高いと考え、上値追いや闇雲な押し目買いには慎重なスタンスで臨むべきだろう。
 
 


東証株価指数(TOPIX)は小幅に続落した。午前終値は前日比1.03ポイント(0.05%)安の2205.27だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6519億円、売買高は5億9619万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は877、値上がりは880、横ばいは77だった。
 
 
業種別株価指数(33業種)は精密機器、情報・通信業、サービス業などが下落した。上昇は電気・ガス業、海運業、石油・石炭製品など。
 
個別ではアドバンテストがしっかり、ディスコも上昇した。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも堅調。エーザイはアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」が近く米当局の完全承認を得る可能性が高いとの報道を受けて商いを伴い大幅高。日本郵船など海運株も買われた。東京電力ホールディングスなど電力株の上げも目立つ。神戸鋼、川崎汽は上昇した。
 
半面、ソフトバンクグループが冴えず、キーエンスが下落。シチズン、中外薬も値を下げた。ファーマフーズが急落、HEROZも大幅安。ラウンドワンも売られた。
カプコンは新作ゲームの販売動向を受けて出尽くし感が先行、レーティング引き下げもあり大きく下落。HOYAもレーティング格下げを受けて大幅安となっている。
 
 

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