26日午前の日経平均株価は反落し、午前終値は前週末比419円59銭(1.09%)安の3万7944円68銭だった。
きょう前場は主力株中心にリスク回避ムードの強い地合いとなった。前週末の欧州株市場が総じて上昇したほか、米国株市場ではジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を受け、FRBによる利下げ期待が強まりハイテク株中心に上値を伸ばす展開となった。
米株式市場では投資家心理が強気に傾き、23日の米ダウ工業株30種平均は大幅上昇して7月17日に付けた最高値に接近した。しかし、日本株にとっては円高が重荷となり、米株高を受けた日経平均の上値追いにはつながらなかった。
ただ、米長期金利の低下を背景に外国為替市場で1ドル=143円台までドル安・円高が進んだことが東京株式市場にはネガティブに働いている。今週予定される米半導体大手エヌビディアの決算発表を控え、半導体関連株のポジション調整の売りが全体相場の上値を押さえている。
日経平均は下げ幅を500円超に広げる場面があった。26日の東京外国為替市場で円相場が1ドル=143円台半ばと約3週間ぶりの円高・ドル安水準を付けたのを受け、輸出企業の採算悪化が意識された。半導体関連や自動車、電子部品株の下げが目立った。半面、円高でコスト上昇圧力が和らぐとの期待からニトリHDや食料品など内需株には買いが向かった。
ジャクソンホール会合にて、パウエルFRB議長は9月会合での利下げ幅を明言しなかったが「強い労働市場を支えるためにできることを何でもする」と語った。この発言を受けて、9月上旬に発表される雇用関連の経済指標が市場予想を大きく下回る内容となった場合、9月会合での0.50%利下げ実施も十分ありうると市場は捉え、日米金利差縮小の思惑から円高ドル安傾向が強まっている。年内3回(0.75%)の利下げ実施を市場は織り込んでいるが、一度に0.50%の利下げ実施となれば、8月上旬同様、市場はリセッション入りを強く意識する可能性はあるだろう。
ドルインデックスが100.5ポイントとじりじりと年初来安値を更新していることから、円高ドル安トレンドは続くと想定。後場の東京株式市場は、円高ドル安加速に連動した日経平均一段安を警戒したいところだ。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは前週末比30.39ポイント(1.13%)安の2654.33だった。JPXプライム150指数も反落で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6875億円、売買高は6億5477万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は916、値上がりは688、横ばいは42だった。
業種別では、輸送用機器、医薬品、銀行業、ゴム製品、保険業などが下落した一方、パルプ・紙、空運業、水産・農林業、不動産業、陸運業などが上昇した。
個別では、売買代金トップのレーザーテックが上昇、ファーストリテイリングもしっかり。ニトリホールディングスが買われ、さくらインターネットも物色人気。M&A総研ホールディングスが急騰、オープンドア、北越コーポレーション、Sansan、タナベコンサルティンググループなども大幅高。円高メリット銘柄の一角であるニトリHD、ANAホールディングス、ニチレイ、日本ハム、日本航空などが買われたほか、三井不動産、三菱地所など不動産株もしっかり。このほか、TOTO、ラインヤフー、エムスリーが買われた。
半面、ディスコ、東京エレクトロン、アドバンテストが安く、SUMCO、TDK、キーエンスも下落。三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクの下げも目立つ。リクルートホールディングスも売られた。三越伊勢丹ホールディングスは大幅安となった。トヨタ自、ホンダのほか、日産自、マツダ、スズキ、SUBARUと自動車関連銘柄が総じて下落。このほか、三越伊勢丹、古河電工、ヤマハ発が売り優勢となった。
