12日午前の日経平均株価は反落し、午前の終値は前日比41円45銭安の2万0349円21銭だった。
前日までに上昇が続いた反動と新型コロナウイルスで二次感染が広がるのではないかとの警戒感から、短期勢主導による売りがやや優勢となった。
もっとも外国為替市場の円安・ドル高傾向が意識されたほか、経済活動の再開への期待感も依然として強く、指数は一進一退となった。
前日、過去に売り込まれた空運株や海運株が買い戻され、大きく上昇した。12日はこうした株が売りに押された一方、景気による業、績の影響が比較的軽微な電気・ガス株や医薬品株に資金が流入した。
韓国やドイツ、中国で新型コロナの感染者が増加傾向にあると伝わった。二次感染が広がるのではとの警戒感が売りを誘い、日経平均は一時100円近く下げた。11日まで3日続伸し800円近く上げていたことで、利益確定の売りも出やすかった。
一方、米ニューヨーク州の一部で15日から経済活動を再開させるとクオモ知事が表明するなど、経済再開への期待が相場の下値を支えた。日経平均はプラス圏で推移する場面もあった。
市場関係者は「行動制限を緩和し感染者が再び増えた国は株式相場が軟化しており、新型ウイルスに対する警戒感は強い。しかし、東京株式市場はディフェンシブ株が上昇したため、日経平均は底堅かった」と指摘した。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は反落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆116億円、売買高は6億2027万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1274と、全体の約6割を占めた。値上がりは793、変わらずは97銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)では、海運業、ゴム製品、空運業の下落が目立った。上昇は電気・ガス業、その他製品、情報・通信業など。
個別銘柄では、三越伊勢丹や丸井G、高島屋など百貨店の下げが目立った。決算が悪材料視された日野自やブリヂストンも下落した。前日に急騰した川崎汽や商船三井など海運も下げた。三菱UFJ、三井住友、みらかHDがさえない。ブリヂストンが売られ、JAL、OLCが値を下げた。
半面、任天堂が反発。東エレク、SUMCO、レーザーテックが値を上げ、ソニー、NTTが堅調、ソフトバンクGは強含み。資生堂、大阪ガス、中部電、東海カ、ヤマトHDが高く、中外薬も買われた。
東証2部株価指数は前日比3.84ポイント安の5823.70ポイントと4日ぶり反落した。
出来高6619万株。値上がり銘柄数は228、値下がり銘柄数は166となった。
個別では、広栄化学工業が一時ストップ安と急落、した。ビケンテクノ、オーウイル、PALTEK、図研エルミック、アクロディアが売られた。
一方、松尾電機が一時ストップ高と値を飛ばした。日本インシュレーションは年初来高値を更新。田辺工業、田岡化学工業、テクノフレックス、倉庫精練、三光マーケティングフーズが買われた。
