25日午前の日経平均株価は続伸し、前日比404円57銭(1.30%)高の3万1466円92銭と、
前日の後場の地合いの延長でリスクを取る動きが加速する展開となった。前日の欧米株市場が総じて堅調となり、米国では長期金利の上昇が一服しハイテク株などへの買い戻しが顕在化していることで、東京株式市場もこれに追随する形に。特に半導体関連株に買いが集中し、全体相場を押し上げている。値上がり銘柄数は1400を上回り、プライム市場の86%の銘柄が上昇している。売買代金はやや盛り上がりを欠いている。
ファストリなど値がさ株に加え、東エレクやアドテストなど半導体関連に買いが集まり、日経平均を押し上げた。日銀の金融政策修正に対する思惑などを背景に日本の長期金利が上昇し、銀行株の買いを誘った。
一方、決算を受けて前日に急落したニデックはきょうも下げた。同社の決算で中国での事業環境の不透明感も意識されるなか、主要企業の2023年4~9月期の決算発表が本格化するのを前に様子見ムードも広がりやすい。日経平均もやや伸び悩む場面があった。
後場の日経平均は上げ幅を広げる展開となるか。アジア市況の動向や米株先物の推移を見極めつつ、直近軟調に推移していた銘柄中心に買い進む動きが継続するか注目しておきたい。一方で、長期金利の上昇は一服しているものの、日米長期金利の先高観や中東情勢の緊迫化など警戒材料が払しょくできていない。そのほか、時間外でのアルファベット株の急落に加えて、全米自動車労組(UAW)のスト収束は見通せておらず、UAWは各社が収益源とする主力工場をスト対象に加え始めている。総じて、外部環境の不透明感が依然として漂っているものの、本日は幅広い銘柄で買い戻しが続きそうだ。
東証株価指数(TOPIX)は28.41ポイント高の2269.14と、続伸して午前の取引を終えた。JPXプライム150指数も続伸した。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆5943億円、売買高は6億957万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1432と、全体の86%だった。値下がりは196銘柄、変わらずは31銘柄だった。
業種別株価指数は33業種すべて上昇し、石油・石炭製品、輸送用機器、卸売業、機械、電気・ガス業、パルプ・紙などが上昇率上位だった。
25日に東証プライム市場に新規上場したコクサイエレは公開価格(1840円)を上回る2116円で初値を付けた。前引けは2321円だった。
個別ではレーザーテックがしっかり、東京エレクトロン、信越化、ソシオネクストなども高い。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが堅調、ソフトバンクグループ(SBG)、トヨタ自動車、ダイキンが上昇した。野村マイクロ・サイエンスはストップ高人気。サムコも値を飛ばした。
半面、ニデックは続落、第一三共も冴えない。ファナック、リクルート、エムスリーが下落した。霞ヶ関キャピタルは大幅安。KOAが急落、マネックスグループも軟調だった。
