19日午前の日経平均株価は反落し、3連休前の前週末に比べ403円86銭(1.20%)安の3万3129円23銭で前場を終えた。米株式市場でのハイテク株安を受けて売りが優勢だった。
きょう前場は、リスク回避ムードのなかハイテク株を中心に利食い急ぎの動きが顕在化した。日経平均株価は400円あまりの下げとなり前引け時点でほぼ安値引けとなった。3連休明けとなった東京市場だが、前週末に米国株市場がハイテク系グロース株を中心に下落したことで、これに追随する格好で半導体関連などに売りが集中した。ただ、銀行株などが買われたことでTOPIXは朝方高い場面があり、一時年初来高値を上回る場面もあった。
米株式市場では半導体需要に対する慎重な見方から主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%安となった。日本が祝日で休場だった18日も小幅な反発にとどまった。東京市場でも東エレクやアドテストが大きく下げ、相場を押し下げた。
日経平均は直近まで堅調で年初来高値の更新も視野に入れていた。今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀の金融政策決定会合と重要イベントを控えているとあって、イベント前に利益確定売りが膨らみやすいとの見方も出ていた。
一方、ホンダやトヨタ、三菱UFJなど大型株の一角には買いが向かった。業種別では海運や鉄鋼、銀行の上昇が目立ち、東証株価指数(TOPIX)が13.69ポイント安の2414.69と、一時年初来高値を上回った。その後はやや売りに押され、前引け時点でTOPIXは反落となった。JPXプライム150指数も反落した。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆1250億円、売買高は8億6150万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1126と、全体の約6割だった。値上がりは634、変わらずは75銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では精密機器、電気機器、サービス業の下落が目立った。上昇は海運業、鉱業、輸送用機器など。
個別では、ソフトバンクグループ(SBG)、ファストリ、ダイキンが下落した。東エレク、レーザーテック、アドバンテスト、東京精密、HOYA、イビデンの半導体関連が大きく下落し、キーエンス、ソニーG、SMCなどの値がさハイテク株や、SHIFT、リクルートHD、アンビスなどのグロース(成長)株も下落。業績予想を下方修正した扶桑化学工業、第1四半期が減益決算となったアスクルは大きく下落。IDOMはビックモーターによる保有株売却の検討が伝わり売られた。
一方、オリンパス、京セラ、三井物、ヤマハ発が上昇した。中間配当の権利取りを狙った買いなどから郵船や川崎汽船のほか、石油資源開発、INPEX、マツダ、三菱自動車、淀川製鋼所、中部鋼鈑、高知銀行、愛媛銀行など景気敏感・バリュー(割安)系のセクターが総じて高い。配当実施に関するリリースを材料に水戸証券が大幅に上昇し、丸三証券はストップ高買い気配のまま終えている。また、自社株買いなどを材料にアイザワ証G、東邦HDなどが大幅高となっている。
