4日続落537ドル安、トランプ関税に不透明感

13日のNYダウ工業株30種平均は4日続落した。前日比537ドル36セント(1.29%)安の4万0813ドル57セントと、昨年9月以来の安値で終えた。
米政権の関税政策を巡る不透明感が根強かった。貿易摩擦の激化による景気減速への懸念から、ハイテク株を中心に主力株への売りが広がった。ダウ平均の下げ幅は一時680ドルを超えた。
 
13日、欧州連合(EU)加盟国からのワインやシャンパンに200%の関税を課す可能性に言及した。連日のように関税について発言しており、「まったく先が読めない」と投資家の心理が悪化。リスク回避のため株を手放す動きが続き、ダウ平均のこの4日間の下げ幅は2000ドルに迫った。

ダウ平均は約半年ぶりの安値水準まで下落。トランプ米大統領への期待を背景に上昇した分は帳消しとなった。

13日発表された米物価指標は、根強いインフレと景気の弱さを示唆する内容で、米経済に対する不安が高まった。米連邦政府のつなぎ予算の失効が14日深夜に迫る中、政府機関が一部閉鎖となる恐れが意識されたことも相場の重荷となった。
米連邦政府のつなぎ予算の失効が14日夜に迫り、政府機関が一部閉鎖するリスクも投資家心理の悪化につながった。下院はトランプ大統領の要望を含めたつなぎ予算の延長法案を11日に可決したが、上院での通過は今のところ見通せていない。「閉鎖の確率は低いとみるものの、実際に閉鎖となれば不透明感が増す状況で買い手に欠いた」との指摘があった。

ウクライナ情勢を巡る不透明感が市場心理の重荷になったとの見方もあった。ロシアのプーチン大統領は13日の記者会見で米国が提案したウクライナでの停戦案について「戦闘を停止する提案に同意するが、長期的な平和につながるものであるべきだ」と述べた。米国との協議継続には応じるものの、即時の停戦受け入れには難色を示したと伝わった。
 

個別銘柄ではセールスフォースやアップル、アマゾン・ドット・コムといったハイテク株の下げが目立った。ホーム・デポやスリーエム(3M)、ゴールドマン・サックスなど消費関連や景気敏感株も売られた。半面、ベライゾン・コミュニケーションズやトラベラーズ、メルクなどディフェンシブ株は買いが優勢だった。

ナスダック総合株価指数は反落した。前日比345.436ポイント(1.95%)安の1万7303.014と昨年9月以来の安値で終えた。ソフトウエアのアドビが14%近く下げた。前日夕に発表した2025年3〜5月期の収益見通しが市場予想を下回った。メタプラットフォームズやテスラ、アルファベットといった主力株も軒並み売られた。

S&P500種株価指数も反落した。前日比77.78ポイント(1.38%)安の5521.52と昨年9月以来の安値で終えた。2月19日に付けた最高値からの下落率は10.1%となり、「調整局面」入りの目安とされる10%を超えた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

13日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前日比405円安の3万6700円で終えた。この日は日経平均株価が小反落し、トランプ米政権による関税政策の不透明感から米主要株価指数も下落した。
投資家心理が悪化し、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 

13日の英FTSE100種総合株価指数は前日比横ばい圏で終えた。終値は同1.59ポイント(0.01%)高の8542.56だった。前週から今週前半にかけてFTSE100種指数が4%ほど水準を切り下げていたため、押し目買いが入った。半面、米政権の関税政策に不透明感が強く、相場の上値を抑えた。
 
FTSEの構成銘柄では、通信大手ボーダフォンが4.60%高と上昇率トップ。産銅大手アントファガスタが2.81%高、通信大手BTの2.39%高と続いた。一方、投資会社メルローズ・インダストリーズが4.21%安、保険会社ヒスコックスが4.00%安だった。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数

13日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比109.27ポイント(0.48%)安の2万2567.14で終えた。米関税を発端とする貿易摩擦が欧州の企業や景気に悪影響を及ぼすとの懸念が、投資家心理を冷やした。
 
個別では、12日に米環境保護局(EPA)が、バイデン前米政権が打ち出した自動車の排出ガス規制を見直すと発表したのが材料視された、商用車大手ダイムラー・トラック(4.44%安)の下げが目立った。ヘルスケア大手フレゼニウス(4.04%安)、化学品商社ブレンターク(3.31%安)が売られた半面、電力大手RWE(2.66%高)やセメント大手ハイデルベルク・マテリアルズ(2.02%高)などが買われた。
 

■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は反落し、前日比0.63%安で終えた。仏酒類大手ペルノ・リカールが下げた。欧州ステランティスなど自動車や、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンといった高級ブランドの一角が売られた。エネルギー大手の仏トタルエナジーズ、欧州鉄鋼大手アルセロール・ミタルが上昇した。

 

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