4日続落530ドル安、中東緊張やFRB高官発言で

4日のNYダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比530ドル16セント(1.35%)安の3万8596ドル98セントで終えた。
1日の下げ幅としては2023年3月22日(530ドル49セント安)以来の大きあさだった。
朝方発表された米雇用指標が弱い内容だったため、市場ではいったん早期利下げ期待が強まり、ダウ平均は昼過ぎまでプラス圏で推移した。ただ、イスラエルのネタニヤフ首相がイランによる報復攻撃の可能性に備えていると述べたことが報じられると、戦闘激化への懸念が高まり、終盤にかけリスク資産の株を手放す動きが広がった。
 
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は4日、経済のモメンタム(勢い)が強いことを背景に「インフレの横ばい状態が続けば利下げする必要があるか疑問が生じる」との見解を示した。
他のFRB高官も、インフレ鈍化の確認に時間をかけることが賢明だとの見方を示し、市場で早期の利下げ観測が後退した。
 
米原油先物相場が午後に上げ幅を拡大し、一時は1バレル87ドル台と期近物として昨年10月以来の高値をつけた。原油高もインフレ懸念につながった。市場では「相場はFRBの政策予想に敏感な地合いだ」といい、米国が金融緩和に転じにくくなるとの見方を誘った。
 
5日には3月の米雇用統計の発表を控える。市場は非農業部門の雇用者数が前月比20万人増え、増加幅は2月(27万5000人)から縮小を見込んでいる。一方、失業率は3.8%と2月(3.9%)から低下が予想されている。予想を上回る雇用の強さを示せば、利下げ観測が一段と後退する。重要指標の発表を前に持ち高調整の売りも出た。
 
朝方は買いが先行し、ダウ平均の上げ幅は290ドルを超える場面があった。4日発表の週間の米新規失業保険申請件数が22万1000件とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(21万3000件)を上回り、1月下旬以来の高水準となった。前日に昨年11月下旬以来の高水準をつけていた米長期金利の上昇が一服し、ハイテクや半導体株を中心に幅広い銘柄に見直し買いが入っていた。
 
個別銘柄ではセールスフォースが3%安となった。アルファベットが顧客情報管理(CRM)のハブスポットを買収すると伝わり、競争が激しくなるとの見方が重荷となった。スリーエムやアメリカン・エキスプレス、アムジェンの下げが目立った。
 
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比228.376ポイント(1.40%)安の1万6049.082で終えた。3月22日につけた最高値(1万6428)を上回る場面があったが、買いは続かず下げに転じた。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の下げが目立ち、アルファベットも安かった。
 

【シカゴ日本株先物概況】
 

4日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比910円安の3万9120円で終えた。
中東の地政学的緊張の高まりや、米連邦準備制度理事会(FRB)高官から早期の利下げ開始に懐疑的な発言が相次いだことが嫌気され、NYダウ平均は4日続落した。
投資家心理が悪化するとしてシカゴ市場の日経平均先物には売りが膨らんだ。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
39120 ( -700 )


シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39160 ( -660 )


( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7975.89(+38.45)
 
4日のFTSE100種総合株価指数は続伸し、前日比38.45ポイント(0.48%)高の7975.89で終えた。終値として2023年2月下旬以来、約1年1カ月ぶりの高値となる。国際商品市場で銅などの先物相場が上昇したのを背景に、英アングロ・アメリカンなど鉱業株に買いが優勢となった。鉱業の英アントファガスタは、一部金融機関による目標株価の引き上げも支援材料となった。

4日の米株式市場で主要な株価指数が上昇しているのも、投資家心理の支えとなった。銀行株や公益株が買われた。一方で飲食料品・たばこ株に売りが出たほか、一部金融機関が目標株価を引き下げたと伝わったネットスーパーの英オカド・グループ株の下げが目立った。

FTSEの構成銘柄では、賭け屋大手エンテインが5.03%高、産銅大手アントファガスタが4.67%高、包装資材大手モンディが3.42%高と大きく買われた。半面、オンライン食品販売大手オカド・グループは5.03%安、保険会社セント・ジェームズ・プレイスは2.39%安、自動車保険のアドミラル・グループは2.12%安だった。
 
 
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18403.13(+35.41)p

4日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比35.41ポイント(0.19%)高の1万8403.13で終えた。独メルセデス・ベンツ・グループやBMWなど自動車株に買いが続き、指数を支えた。

銀行株が上げたほか、風力発電機を手掛ける独シーメンス・エナジーの株価上昇も目立った。他方、独アリアンツといった保険株に売りが出た。DAXの構成銘柄以外の中型株や小型株にも買いが優勢だった。

個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが3.54%高、自動車大手BMWが2.55%高、同業フォルクスワーゲン(VW)が2.43%高。一方、ミュンヘン再保険は1.73%安、ハノーバー再保険は1.66%安、香料大手シムライズも1.34%安と売られた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 8151.55(-1.68)

フランスCAC40種指数は0.02%安だった。

 

 

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