4日続落286ドル安、地銀信用不安拭えず

4日のNYダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比286ドル50セント(0.9%)安の3万3127ドル74セントで終えた。米中堅銀行の経営不安から、投資家心理が悪化した。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化で米景気が減速するとの観測も売り材料となった。

JPモルガン・チェースが1日、経営破綻したファースト・リパブリック銀行の全預金を引き受けることを決めたものの、地銀の信用不安は沈静化せず、地銀株は売りが優勢となった。パックウエスト・バンコープが50%安、ウエスタン・アライアンス・バンコーポレーションは24%、ザイオンズ・バンコーポレーションは12%下げた。ダウ平均の構成銘柄では大手金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースが売られた。

FRBは3日発表した米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で利上げ打ち止めの可能性を示唆した。半面、パウエルFRB議長はその後の会見で追加利上げの可能性を排除せず、インフレ懸念を背景に早期の利下げは否定した。金融引き締め姿勢が長期化し米景気を冷やすとの見方も引き続き相場の重荷だった。

市場では「地銀株の急落は短期的なものだろう。ただ、買いが戻ったとしても景気悪化への懸念は根強く残る」との声が聞かれた。

クレジットカードのアメリカン・エキスプレス、映画・娯楽のウォルト・ディズニーなど消費関連株も売られた。一方、製薬のアムジェンと半導体のインテルが上昇した。

ナスダック総合株価指数は4日続落した。前日比58.930ポイント(0.5%)安の1万1966.398で終えた。交流サイトのメタ・プラットフォームズやネット検索のアルファベットが売られた。一方、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が6%高。マイクロソフトと共同で人工知能(AI)向けのチップを開発すると伝わり、買いが優勢となった。

 


【シカゴ日本株先物概況】

4日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比90円安の2万8625円で引けた。
米中堅銀行の経営不安から投資家心理が悪化し、同日の米株式相場が下落した。日経平均先物にも売りが及んだ。

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28625 ( -505 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28640 ( -490 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

4日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日に比べ85.73ポイント(1.10%)安の7702.64と、4月5日以来ほぼ1カ月ぶりの安値で終えた。欧米中央銀行の金融引き締めによる世界的な需要圧迫の懸念から、資源セクターに売りが出た。米地銀経営を巡る不透明感も投資家心理の重荷となり、銀行セクターも売られた。

個別では、保険会社セント・ジェームズ・プレイスが6.5%安と最も大きく下げた。資源大手グレンコアが6.1%安、ビジネス情報会社インフォーマが4.5%で続いた。一方、衣料小売り大手ネクストは3.2%高、飲料大手コカ・コーラ・ヘレニック・ボトリング・カンパニーは1.5%高、医療・安全装置メーカーのハルマは1.3%高だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
 

4日のドイツ株価指数(DAX)は反落した。前日に比べ80.82ポイント(0.51%)安の1万5734.24で取引を終えた。欧州中央銀行(ECB)が4日の理事会で0.25%の利上げを決めた。前回会合から利上げ幅は縮小したものの、利上げを継続する姿勢を示したことで景気懸念が強まり、小売りや資本財など景気敏感セクターの一角に売りが目立った。米地銀経営を巡る不透明感から銀行株にも売りが出た。

個別では、商用車大手ダイムラー・トラックが7.4%安、通販大手ザランドが7.0%安と急落したほか、コメルツ銀行とドイツ銀行もそれぞれ3.5%安、3.3%安となった。半面、分子診断大手キアゲンは3.4%高、自動車大手BMWは2.8%高、ドイツ取引所は1.7%高と買われた。

■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は0.85%安だった。

 

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