4日続落190ドル安、長期金利高止まりを嫌気

23日のNYダウ工業株30種平均は4日続落した。前週末比190ドル87セント(0.57%)安の3万2936ドル41セントとおよそ5カ月ぶりの安値で終えた。
 
米経済が底堅く金融引き締めが長引くとの観測から、長期金利の指標である10年物国債の利回りは早朝に5.0%台に上昇。ダウは取引開始後から売りが先行した。
ハイテク株が買い直される半面、リスク回避姿勢が和らぎ、景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ株の一部に売りが出て指数を押し下げた。
 
市場では「経済の強さに加え、財政悪化懸念で米長期金利の先高観が根強いため、株売りが出やすい」との見方もあった。
 
ダウ平均は前週末までの3営業日で870ドル下げた。23日はS&P500種株価指数が一時、心理的な節目とされる4200を割り込んだ。目先の自律反発を狙った買いが入り、ダウ平均は小幅ながら上昇に転じる場面があった。長期金利の低下で高PER(株価収益率)のハイテク株などを買い直す動きが広がった。
 
個別では、バイオ製薬のアムジェン、保険のトラベラーズ、医療保険のユナイテッドヘルス・グループといったディフェンシブ株の一部が下落した。大型買収を発表した石油のシェブロンの下げが目立った。半導体のインテルと化学のダウも安かった。一方、アナリストが投資判断を引き上げたドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが上昇。ソフトウエアのマイクロソフト、小売りのウォルマートも買われた。
 
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反発した。前週末比34.522ポイント(0.26%)高の1万3018.329で終えた。半導体のエヌビディア、ネット通販のアマゾン・ドット・コム、交流サイトのメタプラットフォームズが上昇した。

【シカゴ日本株先物概況】
 

 
23日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前週末比85円安の3万0975円で終えた。
同日は米ダウ工業株30種平均は、長期金利が高水準にとどまったことが嫌気され、4営業日続落した。
日経平均株価は心理的節目の3万1000円を下回って終えた。投資家心理が下向き、シカゴ市場で先物売りが優勢となった。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
30975 ( -25 )


シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
30995 ( -5 )


( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数  FTSE100 7374.83(-27.31)  

23日のFTSE100種総合株価指数は4日続落した。前週末に比べ27.31ポイント(0.36%)安の7374.83で引けた。米長期金利が一時5%台に上昇するなど、欧米の長期金利が高い水準で推移していることが、引き続き重荷となった。原油先物相場の下落を背景にエネルギー株が下げた。ただ、23日の原油先物相場の下落はインフレ懸念の緩和にもつながり、株価を下支えした面もある。  スイス系のグレンコアなど資源株にも売りが優勢だった。

FTSEの構成銘柄では、産金大手フレスニロが4.68%安と下落幅トップ。アストラゼネカは3.16%安、通信大手BTは2.85%安と続いた。一方、ブックメーカーのフラッター・エンターテイメントは4.06%高、オンライン食品販売大手オカド・グループが3.84%高だった。    

■ドイツ・フランクフルト株価指数  DAX 14800.72(+2.25) 

23日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに小幅に反発した。前週末比2.25ポイント(0.01%)高の1万4800.72で終えた。欧米の金利が水準を切り上げたのが投資家心理の重荷となり、指数は前週末の終値を下回って推移する時間帯が目立った。英国時間同日午後の取引で米国やドイツの長期金利が上昇幅を縮めると、DAX指数は持ち直した。  化学大手コベストロに買いが続くなど、工業や素材関連の株に買いが入った。金融株も上昇した。一方で、20日夕に2023年12月期通期の営業利益率見通しを引き下げたと伝わった自動車のフォルクスワーゲンは下落した。 

個別では、素材化学大手コベストロが2.53%高、通販大手ザランドが2.37%高、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズが2.30%高と買われた一方、医療大手メルク(2.65%安)や製薬大手サリトリアス(2.42%安)、高級車ブランドのポルシェ(1.84%安)が売られた。 

■フランス・パリ株価指数  CAC40 6850.47(+34.25)  

フランスCAC40種指数は0.50%高だった。エネルギーの供給懸念後退による値下がりも下押し要因となった。 

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