4日続落、手掛かり難、方向感乏しい

10日のNYダウ工業株30種平均は4日続落し、前週末比93ドル91セント(0.3%)安の2万9202ドル88セントで終えた。

 
この日の米国はコロンブスデーの祝日で債券が休場。薄商いで米主要経済指標など相場を大きく動かす重要な材料が乏しく、ダウは朝方から方向感に欠ける展開が続いた。今週は米金融政策に影響を及ぼす消費者物価指数が発表されるほか、7~9月期の決算シーズン入りを控え、様子見ムードも広がった。
 
米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締め継続への警戒が根強く、売りが優勢だった。米景気の減速で企業収益が悪化するとの懸念も重荷となった。
 
ハイテクなど高PER(株価収益率)銘柄は、前週の長期金利上昇で相対的な割高感が意識された。7日にバイデン米政権が中国を念頭に半導体の先端技術の輸出規制強化を発表したのを嫌気し、半導体関連株の下げも目立った。
 
ダウ平均は前週末までの3営業日で1000ドルあまり下げた後で短期的な戻りを期待した買いも入ったが、買いの勢いは続かなかった。今週は13日に9月の米消費者物価指数(CPI)の発表が予定され、週後半には米主要企業の決算発表も本格化する。これらの内容を見極めたい投資家も多い。
 
顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフト、半導体のインテルの下げが大きかった。石油のシェブロン、金融のJPモルガン・チェースも安い。一方、製薬のメルクや航空機のボーイングは上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は4日続落した。前週末比110.303ポイント(1.0%)安の1万0542.102で終え、年初来安値を更新した。エヌビディアやクアルコムなど半導体株が下げを主導した。
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

10日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前週末比50円安の2万6665円で引けた。
シカゴ連銀のエバンス総裁のタカ派発言を受け、11月連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げ観測が一段と強まり売りが再燃し下落に転じた。米株式相場が下落し、日経平均先物にも売りが波及した。

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
26665 ( -435 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
26670 ( -430 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6959.31(-31.78)
10日のFTSE100種総合株価指数は4日続落した。前週末に比べ31.78ポイント(0.45%)安の6959.31で引けた。英国債市場で債券利回りが上昇(価格は下落)し、債券市場の不安定化への警戒感から株売りが優勢だった。
FTSEでは、ヘイリオン(製薬大手グラクソ・スミスクラインから分離)が2.9%安と下落率トップ。エネルギー小売大手セントリカ(2.7%安)や航空機エンジン製造大手ロールス・ロイス(2.4%安)も売られた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12272.94(-0.06)
10日のドイツ株価指数(DAX)は横ばい。前週末に比べ0.06ポイント(0.0%)安の1万2272.94で終えた。欧州中央銀行(ECB)の大幅利上げ継続観測やロシアとウクライナとの戦争が一段と激化するとの警戒感が相場の重荷となった。一方、前週末までに大幅下落していた反動で、戻り期待の買いが下値を支えた。
DAXでは、フォルクスワーゲンが4.5%安と売り込まれた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 5840.55(-26.39)
フランスCAC40種指数は0.45%安だった。
前週末の米雇用統計を受け、米国が積極的な利上げを続けるとの観測が重しとなった。

 

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