26日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前週末比62ドル30セント(0.15%)安の3万9069ドル23セントで終えた。前週末に最高値を更新した後で、主力株を中心に利益確定売りが出た。半面、半導体株は強含む銘柄が目立ち、米株相場を下支えした。
29日発表の1月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ状況を見極める上で重視している。もしインフレの根強さが示されれば、利下げ時期の後退につながるリスクがあることから、この日は持ち高調整の売りが優勢となった。
米国債の入札結果が低調で、長期金利が上昇したことも株価を下押しした。
米国債の入札結果が低調で、長期金利が上昇したことも株価を下押しした。
ただ、ダウ平均は底堅く、上昇する場面もあった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、人工知能(AI)向けで成長期待の大きい半導体のエヌビディアのほか、同業のクアルコムが上昇し投資家心理を支えた。AI向け半導体の量産を始めたと発表したマイクロン・テクノロジーは4%高で終えた。
ダウ平均の構成銘柄では通信のベライゾン・コミュニケーションズやスポーツ用品のナイキ、バイオ製薬のアムジェンが下げた。26日からダウ平均の構成銘柄になったネット通販のアマゾン・ドット・コムも下落して終えた。半面、顧客情報管理のセールスフォースやクレジットカードのアメリカン・エキスプレス、建機のキャタピラーが上昇した。
ナスダック総合株価指数は続落した。前週末比20.572ポイント(0.12%)安の1万5976.251で終えた。AI分野の競争激化が懸念されたネット検索のアルファベットへの売りが目立った。半面、電気自動車のテスラが上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
26日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前週末比130円安の3万9340円で終えた。
NYダウ平均は、週内に発表されるインフレ関連の経済指標への警戒感が広がる中、4営業日ぶりに反落した。
同日は日経平均株価が連日で史上最高値を更新したものの米国株の下落で投資家心理がやや弱気に傾き、日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
39340 ( -110 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
39350 ( -120 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7684.30(-21.98)
26日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前週末比21.98ポイント(0.28%)安の7684.30で終えた。国際商品市場での銅先物などの価格下落を背景に英豪リオティントなど資源株が下げ、指数の重荷となった。
英テイラー・ウィンピーなど住宅建設株も下げた。英競争・市場庁(CMA)が26日、非上場企業も含む住宅建設8社について、競争するうえで重要な情報を競合と共有していたことを問題視し、調査を開始すると公表したことが嫌気された。
FTSEの構成銘柄では、航空エンジン大手ロールス・ロイスが2.29%高だったほか、自動車保険のアドミラル・グループが1.86%高、投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスは1.81%高だった。他方、オンライン食品販売大手オカド・グループは6.98%安と下落幅トップ。保険会社セント・ジェームズ・プレイスは3.92%安、製薬会社ヒクマ・ファーマシューティカルズが3.86%安と続いた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 17423.23(+3.90)
26日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に4日続伸した。前週末比3.90ポイント(0.02%)高の1万7423.23で終え、小幅ながら最高値を更新した。
最高値圏での推移が続いていることから利益確定の売りも出て、指数は前週末終値を下回る場面もあった。不動産株や、前週に上昇していた自動車株の一角に売りが出た。DAXを構成する40銘柄のうち前週末比で15銘柄が上昇し、25銘柄が下落した。
個別では、防衛大手ラインメタル(2.6%高)やハイデルベルク・マテリアルズ(2.05%高)、業務用ソフトウエア大手SAP(1.73%高)が買われた一方、電力大手RWE(1.55%安)や医療大手メルク(1.48%安)などが売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7929.82(-36.86)
欧州株式市場でフランスの主要な株価指数であるCAC40は9営業日ぶりに反落した。終値は前週末比36.86ポイント(0.46%)安の7929.82だった。エネルギーや銀行株などを中心に売りが出た。
