4日ぶり反落332ドル安、米金利の上昇が重荷

18日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比332ドル57セント(0.97%)安の3万3665ドル08セントで終えた。米長期金利が上昇(長期債価格が下落)し、株式の相対的な割高感を意識した売りが出た。高金利が米国の景気を冷やすとの見方も相場の重荷だった。
 
17日発表の9月の米小売売上高が市場予想を大幅に上回り、個人消費の強さが意識されて債券売りが加速した流れをこの日も引き継いだ。また、原油価格の上昇を受け、インフレが長期化するとの見方が台頭。長期金利は約16年ぶりに4.9%台に達した。
 
18日発表の9月の住宅着工件数は前月比で7.0%増とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(6.8%増)を上回った。金利水準が切り上がる中でも、住宅市場が底堅いことを示した。市場では、米連邦準備理事会(FRB)が高い政策金利をより長く維持するとの見方が一段と強まった。同日の米債券市場では長期金利が4.9%台に上昇し、2007年7月以来の高水準を付けた。
 
金利の上昇で相対的な割高感が意識された高PER(株価収益率)のハイテク株に売りが出た。高金利が米景気の下押しにつながるとの見方から、景気敏感株にも売りが出やすかった。
 
中東情勢を巡る緊張が高まっていることも、投資家心理を冷やした。
パレスチナのイスラム組織ハマスとイスラエルの衝突で中東の緊張が高まる中、パレスチナ自治区ガザ北部の病院で17日に爆発が起き、多数の死者が発生した。紛争拡大への懸念が高まり、投資リスクの高い株を避ける動きが広がった。
18日にイスラエルでネタニヤフ首相と会談したが、アラブ首脳らとの会談を延期した。周辺国を巻き込む事態に発展すれば、中東からの原油供給に影響があるとの見方から、18日の米原油先物相場が上昇。インフレ再燃への警戒も株売りにつながった面がある。
 
米連邦議会下院は18日、解任された共和党のマッカーシー氏の後任となる下院議長を選出する2回目の投票を実施。共和党が候補に選んだ保守強硬派のジム・ジョーダン司法委員長は再び過半数の票を得られなかった。市場では「財政運営に対する懸念が高まり、株式相場の重荷となった」との見方があった。
 
ダウ平均では、顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフトが下落。建機のキャタピラーや化学のダウ、金融のゴールドマン・サックスも売られた。一方、18日朝に四半期決算を発表したプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が上昇。外食のマクドナルドとスポーツ用品のナイキも買われた。
 
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比219.445ポイント(1.62%)安の1万3314.302で終えた。米政府による先端半導体の対中輸出規制の強化を受け、アナリストが目標株価を引き下げたエヌビディアが下落。ネット通販のアマゾン・ドット・コムと交流サイトのメタプラットフォームズも安かった。

 


【シカゴ日本株先物概況】

18日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比470円安の3万1640円で終えた。
同日は米債券市場で長期金利が2007年7月以来の高水準を付け、米株式は相対的な割高感を意識した売りが優勢となった。
米長期金利の上昇や中東情勢が重荷となり、4営業日ぶりに反落した。投資家心理が弱気に傾き、日経平均先物もつれ安となった。
 
 

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
31640 ( -400 )
 
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
31665 ( -375 )
( )は大阪取引所終値比
 
 
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7588.00(-87.21)
 
18日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前日に比べ87.21ポイント(1.13%)安の7588.00で終えた。根強いインフレや中東情勢を巡る警戒感がくすぶるなかで、四半期決算の発表とあわせて先行きの不透明感に言及した企業などの株価が下落し、指数を下押しした。
 
FTSEの構成銘柄では、肺がん治療候補薬の後期臨床試験(治験)の結果に失望感が広がった製薬大手アストラゼネカが5.84%安と急落。住宅大手バラット・デベロップメンツは5.14%安、住宅大手テイラー・ウィンペイも4.25%安と売られた。一方、エネルギー小売り大手セントリカは1.46%高、生活用品大手レキット・ベンキーザーは1.33%高、ホテル大手ウィットブレッドは1.29%高となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15094.91(-156.78)
 
18日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反落し、前日比156.78ポイント(1.02%)安の1万5094.91で終えた。不動産株や産業、ヘルスケアをはじめ幅広い業種で売りが出た。指数を構成する40銘柄のうち32銘柄が前日比で下落した。
 
個別では、不動産大手ボノビアが3.83%安、医療機器のザルトリウスが3.49%安、セメント大手ハイデルベルクセメントが2.99%安。半面、スポーツ用品大手アディダスは3.16%高、ハノーバー再保険は1.11%高、通販大手ザランドは0,94%高で取引を終えた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6965.99(-63.71)
 
フランスCAC40種指数は0.91%安だった。
中東情勢の緊迫化などを嫌気してマイナス圏で終了した。
 
 
 

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