379円高と続伸、景気後退懸念和らぐ

 
 
8日午前の日経平均株価は続伸し、前引けは前日比379円29銭(1.43%)高の2万6869円82銭だった。
前日のNYダウが上昇し米株式市場が値を上げるなか、東京株式市場も半導体関連株など値がさハイテク株を中心に買いが流入。中国が景気対策に動くとの観測も買い安心感を呼んだ。日経平均の上げ幅は400円に迫る場面もあった。
 
7日発表の米雇用指標が堅調な内容だったとの受け止めから、米景気減速への過度な懸念が後退した。中国が景気対策として巨額のインフラ投資に動くとの観測も、投資家心理の支えとなった。東京市場では幅広い銘柄に買いが入り、海運や鉄鋼、機械など、景気敏感業種の上げが目立った。
 
国内では10日に参院選の投開票を迎える。報道各社による情勢調査では、与党が改選過半数の獲得に向け堅調との見方が目立つ。市場では「今の与党が引き続き政権運営を続ける展開となれば、6月に示された成長重視の『骨太の方針』の実行に期待が高まり、株価は支えられやすい」との声が聞かれた。
 
昼休み時間帯に入り、日経平均先物9月物は急速に上げ幅を縮めている。
 
今晩の米6月雇用統計を前に様子見ムードも広がりやすいところだが、米10年債利回りの落ち着いた動きやナスダックの4日続伸劇を追い風に、短期的に傾き過ぎた悲観の揺り戻しが起きているようだ。雇用統計については、雇用者数が予想を大幅に下回るようなことがなく、平均賃金の伸びが予想並みにとどまれば、景気後退懸念とインフレ懸念が同時に緩和することとなり、その場合には相場は一段と上値を試すことになりそうだ。
 
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。午前終値は前日比24.93ポイント(1.32%)高の1907.26だった。
 


前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆5791億円、売買高は6億3235万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1574と、全体の約86%を占めた。値下がりは207銘柄、変わらずは57銘柄だった。
 
業種別株価指数(全33業種)では海運業、非鉄金属、鉱業の上昇が目立った。下落は食料品のみ。
 
個別では、商船三井を筆頭に海運株が急伸。大阪チタは急騰。原油価格の反発でINPEXが大幅に上昇し、住友鉱は急反発。三菱商事、日本製鉄などの商社、鉄鋼も総じて強い。
NXHD、デンソーが上昇。ファストリやソフトバンクグループ(SBG)、トヨタも買われた。
上半期上振れ決算や自社株買いが好感された大有機化は連日で急伸し、東証プライム市場の値上がり率トップとなった。
 
一方、エムスリー、メドピアなどグロース株の一角が下落。ヤクルト、第一三共、花王、山崎パンなどディフェンシブ系の銘柄が軟調。SHIFTは計画通りの順調な決算ながらも3-5月期の増益率鈍化が嫌気されたか、利益確定売りが膨らみ急落した。第1四半期が低調なスタートと捉えられた4℃ HD、第1四半期好決算も6月月次動向が嫌気されたオンワードHDは大幅下落。ほか、キユーピー、久光製薬が決算を受けて売られている。KDDIやイオンが値を下げ、ダブル・スコープが売られた。

 

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