16日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比371ドル98セント(1.2%)高の3万2246ドル55セントで終えた。
経営不安が続く米地銀のファースト・リパブリック・バンクを米大手銀行が支援するとの観測から、金融システム不安が和らぐとみた買いが広がった。引け間際に支援策が発表されると一段高となる場面があった。
格付け大手によって「投機的水準」に格下げされた米地銀行ファースト・リパブリックを巡り、身売りの可能性が報じられた。前週末以降に市場に広がった金融機関の健全性を巡る懸念が強まり、ダウ平均は序盤はマイナス圏で推移した。
欧州中央銀行(ECB)が0.5%の大幅利上げを続けたことも、投資家心理の重しとなった。
午前は売りが先行し、ダウ平均は一時300ドルあまり下げた。欧州中央銀行(ECB)が16日の理事会で前回に続き、0.5%の利上げを決めた。米欧の金融機関の経営不安から利上げ幅を縮小するとの見方もあったが、インフレ抑制を優先した。米連邦準備理事会(FRB)が21〜22日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを続ける可能性が意識された。
ただ、米株相場は午前中ごろに上げに転じ、引けにかけて上げ幅を拡大した。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)が午前に大手行がファースト・リパブリックへの支援を協議していると報じた。引け間際にはJPモルガン・チェースを含む米銀11行が預金の形で総額300億ドルの資金支援を実施すると発表した。発表後にダウ平均の上げ幅は400ドルを超える場面があった。
一時は4割近く下げたファースト・リパブリックは10%高で終えた。JPモルガンやゴールドマン・サックスなど大手金融株も上げた。
最近の米長期金利低下で相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株も上昇。ダウ平均の構成銘柄ではソフトウエアのマイクロソフトが高かった。アナリストが投資判断を引き上げた半導体のインテルも大幅上昇した。
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、前日比283.225ポイント(2.5%)高の1万1717.277で終えた。インテルの上昇に連れ高し、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の上げが目立った。
【シカゴ日本株先物概況】
16日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比525円高の2万7015円で引けた。
NYダウは金融機関の経営不安を巡る投資家の懸念が和らぎ、反発した。
経営不安が続く米地銀のファースト・リパブリック・バンクを米大手銀行が支援する意向を示したことで、金融システムの不安が和らぎ、日経平均先物に買いが入った。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27015 ( +275 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27105 ( +365 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
