10日の日経平均株価は反発した。午前の終値は前日比37円57銭高の2万2446円45銭だった。
朝方は前日の米国株高を好感して上げたが、当面の利益を確保する売りが厚く、上値は重かった。自動車や銀行など主力業種を中心に強含んだ。しかし、買いは取引開始から数分で一巡し、その後は伸び悩む銘柄が多かった。日経平均は午前9時3分に付けた前日比121円76銭高の2万2530円64銭を天井に頭打ちとなった。
為替市場で、ドル・円が1ドル=109円80銭台から同60銭台(9日終値109円71-72銭)と円高方向に振れたことも重しとなったようだ。
売買代金ランキング上位の常連銘柄である任天堂やソフトバンクGが値下がりしたことも投資家心理を冷やした
市場では「昨日9日に決算を発表したソフトバンクGがさえず、指数寄与度も高いことから日経平均株価の上値を抑える格好となったようだ。決算発表が続くなか、個別銘柄への短期的な売買が継続しそう」との声が聞かれた。
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆2971億円、売買高は7億6765万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は全体の約4割にあたる860。値下がりは1120、変わらずは96銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)は輸送用機器、銀行業、医薬品が上昇し、その他製品、情報・通信業、空運業は下落した。
個別では、売買代金トップのトヨタ自動車が高く、最終黒字となる前期決算を発表した三菱自が大幅高となった。武田薬品工業も商いを伴い上昇。国際石開帝石や昭和シェルが買われ、ダイキンやリクルートも上げた。
昭和電工、IHIなども買われた。有沢製作所がストップ高に買われ、テクマトリックス、早稲田アカデミーも値を飛ばした。
半面、原油高がコスト増につながる空運のANAHDが下落した。任天堂が売られ、ソフトバンクグループも軟調。ファナック、ファストリも下げた。LIFULLが急落、古河電気工業も大きく値を下げた。新日本電工も安い。
東証2部株価指数は前日比11.21ポイント安の7112.15ポイントと続落した。
出来高6590万株。値上がり銘柄数は220、値下がり銘柄数は189となった。
個別では、省電舎ホールディングス、トリニティ工業、戸上電機製作所、フジコピアン、マミヤ・オーピーが年初来安値を更新。東亜石油、アイスタディ、アップルインターナショナル、ベネフィット・ワン、ヒラノテクシードが売られた。
一方、北陸電話工事がストップ高。高松機械工業は一時ストップ高と値を飛ばした。SYSKEN、TTK、ソルコム、魚喜、ジャパンミートなど12銘柄は年初来高値を更新。
技研ホールディングス、玉井商船、青山財産ネットワークス、ビート・ホールディングス・リミテッド、フライトホールディングスが買われた。
