369円安と反落、米株安と円高が重荷

5日午前の日経平均株価は反落し、前日比369円53銭(1.31%)安の2万7917円89銭で前場を終えた。
きょう前場の東京株式市場は朝方から軟調な地合いとなったが、日経平均株価は寄り後に下げ幅を広げ2万8000円大台を割り込む展開となった。前引けは370円近い下落となり、この日の安値圏で着地している。前日の米国株市場でNYダウが200ドル近い下げとなったことを受け、リスク回避の売りを誘う展開に。米景気減速への懸念が強まっており、外国為替市場でドル売りの動きが強まったことで、円高に振れていることも嫌気された。日経平均寄与度の高い値がさ株が売られ、全体指数を押し下げている。
 
米労働省が4日発表した2月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が市場予想を下回り、米景気の減速懸念が強まった。米株が下落し、東京市場にも売りが波及した。国内の金融機関が含み益のある保有株を売却する期初の「益出し」も重なり、相場の重荷になったとの声があった。
 
3月最終週以降、金融システム不安の後退や配当落ち日に向けた株価指数連動型ファンドの配当再投資といった需給イベントも背景に、売り方の買い戻しはかなり進んできていたとみられる。このタイミングで、米インフレ指標の鈍化や米長期金利の低下が好感されずに株式がハイテクを含めて全般的に売られたことは基調の転換を示唆しているとも考えられる。本日の日経平均が前場の間にあっさり2万8000円を割り込んできたこともきな臭さを感じさせる。
今晩は米供給管理協会(ISM)の3月非製造業(サービス業)景況指数および米3月ADP雇用統計が発表される。ISMサービス業景況指数の結果次第では一段と景気後退懸念が強まる可能性もあると考えられ、今後の展開を慎重に見極めたい。
 
 



東証株価指数(TOPIX)が31.09ポイント安の1991.67と、ともに反落した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆3932億円、売買高は5億7380万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1708と、全体の約9割を占めた。値上がりは107、変わらずは20銘柄だった。
 
業種別株価指数(全33業種)では鉄鋼、石油・石炭製品、卸売業の下落が目立った。上昇は海運業のみ。
 
個別では、日経平均への寄与度が高いファストリが安い。三菱UFJフィナンシャル・グループの下げが目立つほか、ファナックやトヨタ自動車、ダイキンも軟調。キーエンスも売られた。日本製鉄が安く、任天堂も売りに押された。力の源ホールディングスが大幅安、アダストリアも大きく水準を切り下げた。
 
半面、日本郵船など海運株が高く、レーザーテックなど半導体製造装置関連もしっかり。武田薬品工業も強い動き。ダイワボウホールディングスが値上がり率トップに買われ、安永、東洋建設なども物色人気。川崎汽など大手海運3社が高く、パナHDも買われた。

 

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