30日午前の日経平均株価は反落し、午前終値は前日比367円39銭(0.96%)安の3万8101円24銭だった。下げ幅が400円に迫る場面もあった。
前日とは打って変わって再びリスク回避ムードの強い地合いとなった。前日の米国株市場ではNYダウが小安い一方、ナスダック総合株価指数がわずかながらプラス圏で引けるなど高安まちまちで様子見ムードの強い地合いだった。これを受け東京市場も朝方から買い手控え感の強い地合いだったが、半導体関連株などを中心に売りがかさみ、前場後半から下げ幅を広げる展開に。あすの日銀金融政策決定会合の結果を前に足もと警戒感からポジション調整の動きが表面化している。
29日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落した。週内に大型ハイテク企業の決算発表や米連邦公開市場委員会(FOMC)といった重要イベントを前に持ち高調整の売りが出やすかった。この流れを引き継ぎ、30日の東京株式市場ではファストリやソフトバンクグループ(SBG)などの値がさ株への売りが目立った。
日本株は下げ渋る場面もあった。東証プライム市場に上場する全銘柄の予想PER(株価収益率)は16倍程度と、日経平均が最高値(4万2224円)を付けた11日時点(17倍程度)から低下し、投資指標面で手掛けやすさが出ているようだ。市場では「日経平均が3万8000円近辺まで下落すると、押し目とみた個人投資家からの買いが入りやすい」との指摘もあった。
為替は1ドル153円90銭台での小動きだが、長期金利の指標となる10年物国債利回りは1.015%まで低下しており4日続落。明日の日銀会合結果発表を控え、為替市場、金利市場ともに緊張感が高まっている。後場の東京市場は、為替市場と金利市場を睨んだ展開となるが、積極的な押し目買いは手控えられていることから日経平均は3万8000円を割り込む場面も見られそうだ。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは23.97ポイント(0.87%)安の2735.70だった。JPXプライム150指数は反落した。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7431億円、売買高は7億6077万株。東証プライムの値下がり銘柄数は1364。値上がりは248、横ばいは31だった。
業種別では、鉱業、銀行業、機械、金属製品、繊維製品などが下落した一方、不動産業、輸送用機器の2セクターのみ上昇した。
個別銘柄では、第1四半期決算の利益の伸びが鈍化したことからコマツが売られたほか、グループの金融事業再編メドを今年10月から来年1月に延期した楽天グループも下落。ディスコが売られたほか、レーザーテック、東京エレクトロンなども軟調。また、金利低下を受けて、しずおかFG、千葉銀行、ふくおかフィナンシャルGや三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友など銀行株がさえない。このほか、塩野義製薬、ディスコ、ソシオネクスト、ニトリホールディングスが売られた。富士通ゼネラル、さくらインターネットが急落、日本ゼオンも大幅安となった。
一方、アシックスが大商いで堅調、第1四半期受注が想定以上で通期予想を上方修正したファナックが買われたほか、金利低下を受けて、三井不動産、住友不動産、三菱地所など不動産株が堅調。このほか、オムロン、中外製薬、日本精工、ソニーグループ、日産自がしっかり。リクルートホールディングスが買い優勢、ファナックもしっかり。パソナグループ、九電工、Genky DrugStoresなどが大幅高に買われた。
