12日午前の日経平均株価は続落した。前引けは前日比365円55銭(1.36%)安の2万6455円97銭だった。
きょう前場は、主力株をはじめ幅広くリスク回避目的の売りが噴出する地合いとなった。前日の米国株市場ではハイテク株中心に売りが目立ち、NYダウなど主要株価指が揃って大幅下落、ナスダック総合株価指数の下落率は2%強に達した。米長期金利の上昇に弾みがついており、これが市場のセンチメントを悪化させている。日経平均株価は一時400円を超える下げをみせる場面もあった。
海運株が大幅に下落したほか、精密機器や機械セクターへの売りも目立った。市場では「物価高や米国の金融引き締めに加え、(新型コロナウイルスの感染拡大が続く)中国経済の動向などを背景に世界景気の減速懸念が出ている」との声があった。
日本時間午前の米長期金利が節目の2.8%を超えて一段と上昇したことも株式相場の重荷となり、グロース(成長)株の売りに拍車をかけた。半面、利ざやの改善期待から銀行や保険株は上昇した。
東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆2970億円、売買高は5億9340万株とやや低調だった。企業の決算発表を控え、機関投資家などは様子見姿勢を強めているとの見方があった。東
証プライムの値下がり銘柄数は1462と、全体の約8割を占めた。値上がりは317銘柄、変わらずは60銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では海運業、精密機器、医薬品などが下落。上昇は空運業、パルプ・紙、その他金融業など。
個別では、商船三井は6%近く下落し、ファナックも4%超下げた。コマツも安かった。レーザーテック、東京エレクトロンなど半導体製造装置関連が軟調、日本郵船、商船三井なども安い。ソニーグループが売られ、任天堂、キーエンスなども値を下げた。ファーストリテイリングも下落した。ブックオフグループホールディングスが急落、ピアラ、レノバなども大幅安、トヨタ、三菱商も下落した
半面、ローツェが商いを伴い値上がり率トップに買われる人気となった。オリエンタルランドも堅調。アークランドサカモト、Sansan、モバイルファクトリーなどが値を飛ばした。高島屋、東ガス、りそなHDは上昇した。
