358円高、先物絡め買い戻し

 
14日午前の日経平均株価は大幅に反発し、前日比358円92銭高の1万9402円32銭で前場を終えた。
前日の米株式市場でハイテク株が上昇したことが支えとなった。新型コロナウイルスの感染拡大による経済停滞が早期に収束するとの期待も広がり、短期志向の海外投資家による断続的な先物買いが相場を押し上げた。
 
13日のNYダウ工業株30種平均は下落したものの、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。トランプ米大統領が新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の停滞を巡り、早期収束に前向きな姿勢を見せたとも伝わった。米経済の早期正常化への期待が高まり、先物買いを誘った。
ダウ・ジョーンズ通信によると、3月の中国貿易収支は人民元ベースで輸出が前年同月比3.5%減、輸入が同2.4%増となった。中国景気に対する過度な警戒感が和らいだとの受け止めから買いが入った。
 
また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、在宅勤務が広がる中、ドラッグストアなど好決算を出した小売業などが買われた。機関投資家の関心が近く発表される米金融大手決算などに向かう中、「個人投資家主導の市場」となり、日経平均株価は朝方から買いが優勢。上げ幅はじりじりと拡大し、一時は前日終値比400円を超えた。
 
前引けにかけては伸び悩んだ。「中国の経済指標は投資家のリスク回避姿勢を和らげたが、1万9500円を上回る水準では戻り売り圧力が強まりやすい」との声も聞かれ、短期的な利益を確定する目的の売りが出た。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も反発した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で9886億円、売買高は5億6285万株だった。
 
東証1部の値上がり銘柄数は1298と、全体の約6割を占めた。値下がりは787、変わらずは84銘柄だった。
 
 


業種別株価指数(33業種)は小売業、サービス業、電気機器、輸送用機器、精密機器の上昇が目立ち、下落は空運業や建設業、証券・商品先物取引業など。
 
個別では、2020年3月期の連結最終損益が大幅な赤字になったと発表したソフトバンクグループ(SBG)は売り先行後持ち直し、一時4%高となった。任天堂、トヨタ自動車、ファーストリテイリングが高く、安川電や太陽誘電が買われ、東京エレクトロン、アドバンテスト、スクリンなど半導体関連も買われた。ハイパーが一時ストップ高に買われたほか、ぴあも急伸。タカラバイオも物色人気となった。
 
半面、島津製作所が軟調、シキボウも売り優勢。サインポストが大幅安となり、熊谷組、清水建設や大成建など建設株に安いものが目立つ。シチズンやキヤノンが安く、高島屋、イオンが下落した。
 
東証2部株価指数は前日比43.29ポイント高の5525.84ポイントと反発。
出来高5959万株。値上がり銘柄数は274、値下がり銘柄数は114となった。
 
個別では、ぷらっとホームがストップ高。木村工機は年初来高値を更新。ASTI、JESCOホールディングス、ジャパンエンジンコーポレーション、ネポン、扶桑電通が買われた。
 
一方、マルゼン、Jトラスト、アジア開発キャピタルが年初来安値を更新。川本産業、ビットワングループ、理研コランダム、新内外綿、小池酸素工業が売られた。
 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次