8日午前の日経平均株価は続伸し、前引けは前日比352円06銭(1.28%)高の2万7879円70銭、東証株価指数(TOPIX)は20.87ポイント高の1954.96といずれも続伸して午前の取引を終えた。
きょう前場は、前日の欧米株高を受けてリスクを取る動きが活発で日経平均の上昇基調が続いた。朝方から買いが優勢だったが、寄り後も上値を買い進む動きが継続し、日経平均は一時400円を超える上昇で2万7900円台まで水準を切り上げる場面があった。
米中間選挙の投開票を目前に控え、積極的な買いは入れにくいとの見方もあったが、取引時間中は先物主導で上げ足を次第に強める地合いとなった。
8日投開票の米中間選挙について、大統領の政党と議会の多数党が異なる「ねじれ」になるとの見方が広がっている。バイデン政権が株式市場の逆風となる法案を出しにくくなるとの見立てから、海外投資家がリスクを取る動きを強めているという。東京株式市場では電気機器や精密機器、海運、保険、不動産などを中心に幅広い銘柄が買われた。
「中間選挙の結果以外にも、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが今後減速するのではないかとの見方も足元で強くなっている」と話した。
日経平均株価は大幅続伸で、一時2万8000円超えが視野に入る水準にまで上昇する場面も見られた。日足チャートでは、75日移動平均線を明確に上抜けてきたほか、上向きの25日線が200日線を下から上に抜こうかと窺う形となっており、テクニカルな好転が鮮明になってきている。一目均衡表でも雲上限を大きく突破したことで三役好転を示現している。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6350億円、売買高は6億4854万株だった。東証プライム市場の値上がり銘柄数は1357と、全体の約7割を占めた。値下がりは399、変わらずは81だった。
業種別株価指数(33業種)では保険業、海運業、電気機器などの上昇が目立った。下落はその他金融業、陸運業のみだった。
個別では、売買代金トップのレーザーテックや東京エレクトロンが1000円を超える上昇をみせたほか、ソフトバンクグループ(SBG)も物色人気。ソニーグループも上値追い態勢に。商船三井、第一生命HD、三井不、オリンパス、三菱商事が買われ、ヤマハ発動機の上げ足も目立った。ドリームインキュベータはストップ高、住友精化も急騰した。
半面、NTTデータやオリックスが軟調。エーザイ、アルプスアルが売られ、レノバは急落した。パイロットコーポレーション、日東工業などが大幅安となり、アイスタイルも大きく利食われた。
