35ドル高と小幅続伸も利益確定で上値重く

 
8日のNYダウ工業株30種平均は小幅に3日続伸し、前日比35ドル32セント(0.1%)高の3万5754ドル75セントで終えた。
新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大への懸念が後退し、消費関連株に買いが入った。ただ、足元で大きく上昇した後とあって、目先の利益を確定する目的の売りも出て上値は重かった。
 
米製薬大手ファイザーと独ビオンテックは朝方、新型コロナウイルスワクチンを3回接種することで、拡大している変異型「オミクロン型」に対しても高い予防効果が期待できるとする実験結果を公表した。また、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は8日の記者会見で、オミクロン型感染よる症状が、デルタ型よりも軽い可能性を指摘した。
 
映画・娯楽のウォルト・ディズニーやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど消費関連株が高い。旅客数が回復すれば航空機需要も持ち直すとの見方から、ボーイングも上げた。ダウ平均の構成銘柄以外では、クルーズ船のノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングスやカジノのラスベガス・サンズ、空運のユナイテッド航空ホールディングスなど旅行・レジャー関連株の上げが目立った。
 
ダウ平均は前日までの続伸で1100ドルあまり上昇しており、利益確定目的の売りに押され安くなる場面もあった。足元で上昇していた半導体のインテル、週初に上場来高値を付けたホームセンターのホーム・デポは下げて終えた。アナリストが投資判断を「中立」に引き下げた機械のハネウェル・インターナショナルも安い。
 
米株の予想変動率を示す変動性指数(VIX)は19台と前日から9%低下した。不安心理が高まった状態とされる20を2週ぶりに下回った。前週は30を大きく上回る場面もあったが、今週に入って低下基調にあり、投資家の先安懸念の後退を映している。
 
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比100.072ポイント(0.6%)高の1万5786.988で終えた。スマートフォンのアップルが2%上昇し、連日で上場来高値を更新した。交流サイトのメタプラットフォームズ(旧フェイスブック)が2%超上げ、電気自動車(EV)のテスラも買われた。一方、エヌビディアなど半導体株は総じて利益確定目的の売りに押された。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
35,754.75+35.32
S&P500種
4,701.21+14.46
ナスダック
15,786.988+100.072
NY金(ドル/トロイオンス)
1,784.70+5.20
NY原油(ドル/バレル)
72.65+0.60
円・ドル
113.64 – 113.74+0.24
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

8日のシカゴ日経平均先物は小幅に続伸した。
12月物は前日比70円高の2万8885円で引け、8日の大取終値を5円下回った。
新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」への懸念の薄れから投資意欲が高まり、日経平均先物は米株とともに買い進まれた。高値警戒感から上昇幅は限られた。
 

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
28885 ( -5 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
28880 ( -10 )

( )は大阪取引所終値比
 
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7337.35(-2.55)
8日のFTSE100種総合株価指数は小幅ながら3日ぶりに反落した。前日の終値に比べ2.55ポイント(0.03%)安の7337.35で引けた。指数構成銘柄全体の約6割が下落した。ここ最近急反発していた資源株の下落が目立った。
買いが優勢で始まったあとは方向感に乏しかった。前日まで上昇基調が続いたことから鉱業株などに利益確定の売りが出やすかった。
時価総額の大きい銀行株や石油株の下げが目立った。医薬品株と保険株は上昇した。
 
個別銘柄では資源大手リオ・ティント(1.5%安)、同BHPビリトン(1.1%安)、ロシア鉄鋼大手エブラズ(1.3%安)など資源株が売られた。金融大手HSBCホールディングスは0.7%安とさえず、石油大手BPも0.6%安と軟調だった。
サイバーセキュリティのダークトレースが安くなった。
 
半面、自動車保険大手アドミラル・グループが2.7%高で上昇率トップ。たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコも1.2%高と締まった
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15687.09(-126.85)
8日のドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反落した。終値は前日と比べて126.85ポイント(0.80%)安の1万5687.09だった。
前日まで上昇基調が続いたため売りが出やすかった。
 
個別では、食材・レシピ宅配のハローフレッシュは約11%安となった。2022年通期の調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が予想を下回るとの見方を示したことが売り材料視された。半導体のインフィニオンテクノロジーズの下げも目立った。アナリストによる投資判断の引き下げが響いた。一方、高級車のポルシェは続伸した。料理宅配大手のデリバリーヒーローは上げた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7014.57(-50.82)
 

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