9日午前の日経平均株価は小幅に反落し、前日比33円87銭安の2万3613円20銭で終えた。
前日のNYダウが122ドル高と続伸したことを受け、東京株式市場も値を上げて売買を開始し一時2万3700円台に乗せた。ただ、前日に約8カ月ぶりの高値水準まで値を上げていたこともあり、利益確定売りも出やすく買い一巡後は上値の重い展開となっている。
8日にトランプ米大統領が追加経済対策に言及したことで米株式相場が上昇し、日経平均の朝方の上昇にもつながった。ただ、市場からは「大統領選後まで協議停止と言ったり追加経済対策と言ったり大統領の発言が日々変わるため、政策が実現するかどうか不透明とみて上値追いに慎重になる投資家も多い」との指摘があった。
株価指数オプションとミニ日経平均先物10月物の特別清算指数(SQ)算出に絡む現物株売買もあった。QUICK試算でのSQ値は2万3724円23銭で、取引開始直後には一時、SQ値を上回る場面もあった。
市場からは「当然の一服と言える。今週はよく上がったし、週末事情もあり、利益確定売りが出てくる。さらに一段上に進むには支援材料が必要だ。ただ、過剰流動性など背景要因に変わりはなく、上昇基調は維持されている」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も、ともに反落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆1854億円、売買高は5億4199万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1544と、全体の約7割を占めた。値上がりは541銘柄、変わらずは86銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)は情報・通信業、電気機器、銀行業などが下落し、小売業、海運業、石油・石炭製品は上昇した。
個別では、第一三共やエーザイ、協和キリンなど医薬株の一角が売られている。ソフトバンクGの売り物が厚かった。東エレク、アドバンテスが軟化し、トヨタ、ホンダ、三菱自、ファナックも売られた。KDDIが緩み、NTT、ソフトバンク、日揮HD、東建物もさえない。三菱UFJ、三井住友は下落した。
半面、良品計画が大量の買いで急騰し、セブン&アイが上げ幅を拡大。ファーストリテも上伸した。ZHD、楽天や武田が高く、エムスリー、GSユアサも値上がりした。
東証2部株価指数は前日比20.98ポイント高の6344.01ポイントと3日ぶり反発した。
出来高1億5542万株。値上がり銘柄数は156、値下がり銘柄数は221となった。
個別では、アウンコンサルティングがストップ高。アヲハタ、サトウ食品、パシフィックネット、いい生活、ベースなど6銘柄は年初来高値を更新。STIフードホールディングス、魚喜、アドテック プラズマ テクノロジー、キャピタル・アセット・プランニング、理経が買われた。
一方、ビットワングループ、鈴与シンワート、SIG、フレンドリー、YE DIGITALが売られた。
