景気減速懸念から前週末に値を下げた銘柄に加え、アナリストが投資判断を引き上げたスポーツ用品大手ナイキなどに買いが入った。今後4年間で米国に過去最大となる5000億ドル(約75兆円)の投資計画が好感されたIT大手アップルも買われ、相場を下支えした。
ダウ平均は経済指標の悪化を背景に前営業日の21日に748ドル安と今年最大の下落幅を記録した。24日は主な経済指標の発表がなく、主力株にはいったん押し目買いが入った。
ただ、ダウ平均は上値が重く、午前には下落に転じる場面があった。マイクロソフトやアマゾン・ドット・コムなど、人工知能(AI)の訓練や推論に使うデータセンターに重点投資する銘柄に売りが出た。マイクロソフトがデータセンターの拡大路線を減速させているとアナリストが指摘し、AIの演算能力が供給過剰になる可能性が意識された。AI向け半導体を手掛けるエヌビディアも下げ、市場では「個別銘柄のニュースが投資家心理を冷やした」との指摘があった。
トランプ米大統領が、延期していたカナダとメキシコからの輸入品に対する関税を来月に実施するとの考えを示したと24日午後に伝わった。米経済に対する関税の悪影響が改めて意識されたのも株価の重荷となった。
ダウ平均の構成銘柄ではトラベラーズやウォルト・ディズニー、アムジェンが上昇した。半面、シスコシステムズやウォルマート、JPモルガン・チェースは下げた。
ナスダック総合株価指数は3日続落した。前週末比237.080ポイント(1.21%)安の1万9286.925で終えた。ビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズが大幅に下げた。
【シカゴ日本株先物概況】
24日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前週末比110円安の3万8020円で終えた。同日は日本の株式市場が休みとなるなかで米ナスダック総合株価指数が下落し、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
■ドイツ・フランクフルト株価指数
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は3営業日ぶりに反落し、前週末比0.77%安で終えた。電機大手のシュナイダー・エレクトリックの下げが目立った。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンなど高級ブランドの下落も重荷だった。公益株が上昇した。
