33ドル高と3日ぶり反発 、急落受け買い戻し

24日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに小反発し、前週末比33ドル19セント高の4万3461ドル21セントで終えた。
 
前週後半の2営業日で1200ドルほど下げたあとで、自律反発を見込んだ買いが主力株に入った。半面、悪材料の出た一部の大型ハイテク株には売りが出て相場の重荷となった。

景気減速懸念から前週末に値を下げた銘柄に加え、アナリストが投資判断を引き上げたスポーツ用品大手ナイキなどに買いが入った。今後4年間で米国に過去最大となる5000億ドル(約75兆円)の投資計画が好感されたIT大手アップルも買われ、相場を下支えした。

ダウ平均は経済指標の悪化を背景に前営業日の21日に748ドル安と今年最大の下落幅を記録した。24日は主な経済指標の発表がなく、主力株にはいったん押し目買いが入った。

ただ、ダウ平均は上値が重く、午前には下落に転じる場面があった。マイクロソフトやアマゾン・ドット・コムなど、人工知能(AI)の訓練や推論に使うデータセンターに重点投資する銘柄に売りが出た。マイクロソフトがデータセンターの拡大路線を減速させているとアナリストが指摘し、AIの演算能力が供給過剰になる可能性が意識された。AI向け半導体を手掛けるエヌビディアも下げ、市場では「個別銘柄のニュースが投資家心理を冷やした」との指摘があった。

トランプ米大統領が、延期していたカナダとメキシコからの輸入品に対する関税を来月に実施するとの考えを示したと24日午後に伝わった。米経済に対する関税の悪影響が改めて意識されたのも株価の重荷となった。

ダウ平均の構成銘柄ではトラベラーズやウォルト・ディズニー、アムジェンが上昇した。半面、シスコシステムズやウォルマート、JPモルガン・チェースは下げた。

ナスダック総合株価指数は3日続落した。前週末比237.080ポイント(1.21%)安の1万9286.925で終えた。ビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズが大幅に下げた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

24日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前週末比110円安の3万8020円で終えた。同日は日本の株式市場が休みとなるなかで米ナスダック総合株価指数が下落し、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。

 

シカゴ日経225先物 (円建て)
38020 ( -770 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38040 ( -750 )
 
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 

24日の英FTSE100種総合株価指数は前週末比で横ばい圏で終えた。終値は前週末比0.39ポイント安の8658.98だった。米政権の関税政策への警戒感から銅など非鉄金属の先物相場が下げ、英豪リオティントなど資源株の売りにつながった。半面、英防衛大手BAEシステムズといった資本財の一角が上昇した。
 
FTSEの構成銘柄では、賭け屋大手エンテインが4.20%安、産金大手エンデバー・マイニングが3.79%安、投資信託会社ポーラー・キャピタル・テクノロジー・トラストが3.57%安と下げを主導。一方、エネルギー小売り大手セントリカは4.10%高、航空・防衛大手BAEシステムズは3.94%高、通信大手ボーダフォンは3.32%高と買われた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
 

24日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反発し、前週末比138.37ポイント(0.62%)高の2万2425.93で終えた。23日投開票のドイツ総選挙でネガティブなサプライズ(驚き)がなく、安心感が広がった。政権発足へ向けた連立交渉に時間がかかるとの慎重な見方は根強いものの、いずれ景気回復へ向けた政策が出てくるとの期待がある。
 
ドイツ総選挙は、暫定の開票結果で最大野党の保守陣営「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」が首位となっている。極右政党「ドイツのため選択肢(AfD)」の支持拡大も含めて事前の世論調査に沿った結果と受け止められた。
 
個別では、防衛大手ラインメタルが6.40%高と急伸し、電力大手RWEが3.84%高、不動産大手ボノビアが3.26%高で続いた。半面、エネルギー大手シーメンス・エナジーは4.04%安、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズは2.22%安、総合電機大手シーメンスは1.51%安で終了した。
 
 

■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は3営業日ぶりに反落し、前週末比0.77%安で終えた。電機大手のシュナイダー・エレクトリックの下げが目立った。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンなど高級ブランドの下落も重荷だった。公益株が上昇した。
 

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