26日午前の日経平均株価は続伸し、前日比326円87銭(1.20%)高の2万7577円15銭で終えた。米長期金利の低下を好感し、25日の米株式相場が上昇した。
前日の米国株市場でNYダウやナスダック総合株価指数などが続伸歩調を維持したことで、引き続きリスク選好の地合いとなった。日経平均株価は朝方高く始まった後、米株価指数先物が軟調に推移しているのを横目にやや伸び悩む局面もあったが、取引後半は上げ足を一段と強め、前場はほぼ高値引けとなっている。東京株式市場でもグロース(成長)株を中心に買いが入った。香港などアジア株市場が強い動きを示したことも市場のセンチメント改善に寄与した。
取引時間中としては、9月20日以来およそ1カ月ぶりの高値水準を付けた。米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースの減速観測から、米市場で株高・金利低下が進み、日本株相場も上昇する流れが続いている。
日経平均は上値が重くなる場面もあった。7~9月期の決算発表を受け、グーグルの親会社のアルファベットとマイクロソフトが時間外取引で下落し、投資家心理を冷やした。
市場では「円安や経済再開によって企業業績の上方修正期待は強い」との声があった。業績期待も相場を支える要因となった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆4165億円、売買高は5億3120万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1375、値下がりは379、変わらずは83銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は医薬品、サービス業、精密機器、その他金融業などが上昇した。下落は海運業、鉄鋼など。
個別ではソフトバンクグループがしっかり、ソニーグループも買いが優勢。キーエンス、エムスリーも値を上げた。ファーストリテイリング、リクルートホールディングスなども高い。三菱UFJフィナンシャル・グループの上値追いも続いている。業績予想を上方修正したリョーサンやNOK、サイボウズ、セプテーニHDとの資本提携締結を発表したandfacが急伸して東証プライム市場の値上がり率上位に並んだ。セメント事業からの撤退を発表したデンカは構造改革として評価する動きが優勢となった。
半面、国内証券によるレーティング格下げの動きを受けて、郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社が揃って大幅に下落。日本電産、キヤノンも冴えない。大末建設が急落したほか、山崎製パンも大きく値を下げた。円谷フィールズホールディングスも利食われた。
