13日午前の日経平均株価は反落し、前引けは前日比326円17銭安の3万6507円10銭だった。
前日のNYダウが235ドル高と続伸したことが好感され、日経平均株価は小幅に上昇してスタートした。ただ、上値は重く、為替相場の円高が警戒されマイナス圏に転じた。日経平均株価は売り一巡後、やや値を戻す場面があったが前引けにかけ売り直された。為替が1ドル=140円台後半に一段と円高が進行したことが嫌気された。トヨタなど自動車株などが軟調だが、半導体などハイテク株は底堅く推移している。株価指数先物・オプション9月物のSQ(特別清算指数)値は、3万6906円92銭だったとみられている。
12日の米株式市場で主要3指数が上昇したことから、朝方の日経平均は小幅に上昇する場面があった。前日の米ハイテク株高を受けて、東京株式市場でもアドテストなど値がさの半導体関連株の一角は買われた。
ただ、前日の日経平均が先物主導で1213円高と今年3番目の上げ幅を記録していたことから、戻り待ちの売りや利益確定の売りも出やすかった。市場では「3連休前の手じまい売りや、来週に控える日米の中銀イベントを前に持ち高調整の売りも出ているようだ」との声が聞かれた。
昼、為替は1ドル140円70銭台に突入しており、円高進行が加速している。11日の安値水準にほぼ顔合わせしたことから円の一段高に警戒。後場の東京市場は為替睨みの展開となりそうだが、後場一段安への意識が強まりそうだ。前引け時点で「幻のSQ」となったことも投資家心理の重しとなる。3連休と来週の日米中銀会合などが意識されて積極的な押し目買いは手控えられると考える。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは21.79ポイント(0.84%)安の2570.71だった。JPXプライム150指数も反落し、11.10ポイント(0.96%)安の1150.65で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆5229億円、売買高は10億2716万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1206。値上がりは377、横ばいは60だった。
業種別では、ゴム製品、保険業、電気・ガス業、輸送用機器、医薬品などが下落した一方、海運業、鉄鋼、鉱業、機械の4セクターのみ上昇した。
個別銘柄では、ファーストリテイリングやソフトバンクグループが安く、デンソーが軟調。ソニーグループや信越化学工業、さくらインターネットが値を下げた。
コナミグループ、ネクソン、サイバーエージなどがさえないほか、円高進行が嫌気されて日本電気、キヤノン、村田製作所、トヨタ自、ホンダ、ニデックなど輸出関連銘柄が売られた。このほか、アステラス製薬、味の素、塩野義製薬、大塚ホールディングスなどが下落した。
一方、米系証券が新規で買い推奨したことが材料視されて川崎重が買われたほか、三越伊勢丹HDも証券会社のポジティブなレポートを受けて買われた。また、ナスダック上昇を材料にソシオネクスト、アドバンテストなど半導体株の一角がしっかり。このほか、荏原製作所、資生堂、クラレ、ディスコ、イオンなどが買われた。三菱重工業、ダイキン、第一三共は上げた。
