10日午前の日経平均株価は続落し、前日比325円43銭(1.17%)安の2万7391円00銭で終えた。
きょう前場は、主力株をはじめ広範囲にリスク回避の売り圧力が強まった。前日の米国株市場ではNYダウなど主要株指数が揃って大幅反落となった。注目された中間選挙は上院で大接戦となり、多数党が民主党となるか共和党となるかがはっきりしない状況下で利食い急ぎの動きが出ている。東京株式市場でもこれを引き継ぎ、先物主導で日経平均が下値を探る展開を余儀なくされた。
値がさ株を中心に売りが広がった。前日に決算を発表した銘柄が下げたのも相場を下押しする要因となった。
これまで米中間選挙で与党・民主党が苦戦し、企業増税など株式市場が嫌うような政策は難しくなるとの見方から、日米ともに株価が上げていた。予想外に接戦となっているため、先行きの株高期待が後退した。
ビットコイン価格が大きく下げているのも投資家心理を冷やしている。ホンダなど前日に決算を発表した銘柄の一角が売られたのも重荷だった。
市場では「米国株は中間選挙で共和党優勢の展開を先取りした反動が出たが、日本株もツレ安する格好となった。上院選挙結果の確定までは時間が必要となることも想定され、当面は個別株物色が中心になりそう」との声が聞かれた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6185億円、売買高は6億3247万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1230、値上がりは499、変わらずは105銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)はゴム製品、鉱業、輸送用機器、石油・石炭製品などが下落。上昇はパルプ・紙、銀行業など。
個別では、ソフトバンクグループが軟調、東京エレクトロンも売りに押された。ファーストリテイリングが安く、三井不動産も値を下げた。トヨタ自動車、ソニーグループも冴えない。住友ゴム工業、ブラザー工業、ベネッセホールディングスなどが大幅安となった。
半面、レーザーテックが利益確定売りをこなし続伸、三菱商事も堅調。自社株買いが好感されたネクソンも物色人気。広済堂ホールディングス、セグエグループ、RS Technologiesが上昇。今期業績見通しと配当予想を引き上げたフジクラがストップ高に買われた。
