19日午前の日経平均株価は続伸し、前日比316円41銭(0.97%)高の3万2810円30銭で前場を終えた。上げ幅は一時370円を超えた。東証株価指数(TOPIX)は20.63ポイント高の2272.91と、ともに続伸して午前の取引を終えた。
前日の米国市場でバンク・オブ・アメリカやモルガン・スタンレーが発表した決算が堅調だったことが好感され、NYダウは366ドル高と上昇した。この米株高を受け、東京市場も買いが優勢の展開。幅広い買いが流入するなか、自動車、海運、証券株などが高く33業種全てが上昇した。
米国では主力企業の4~6月期決算で市場予想を上回る内容が目立ち、18日の米株式市場ではダウ工業株30種平均など主要3指数がそろって年初来高値を更新した。投資家が運用リスクを取る動きから、東京株式市場でも東エレクやファナック、ダイキンなど幅広い銘柄に買いが入った。傘下のビジョン・ファンド(SVF)が新規投資を再開すると伝わったソフトバンクグループ(SBG)が堅調に推移したことも相場を押し上げた。
国内株式相場の重荷だった外国為替市場での円高・ドル安進行が一服しているのも支えだった。19日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=139円台前半で推移している。輸出関連銘柄の一角としてトヨタや日産自など自動車株に買いが入った。
日経平均の上値は重くなる場面もあった。心理的節目の3万3000円や25日移動平均(3万2970円、18日時点)に迫る場面では戻り待ちの売りが出た。
日経平均とTOPIXはともにまだ25日線を明確に上回ることができておらず、短期調整局面を抜け出せたとまでは言いにくい。景気・為替との連動性の大きい輸出系大型株への上値追いには依然慎重に臨むべきと思われ、引き続き米金利の低下が支援材料となりやすい内需系グロース(成長)株を選好すべきと考える。
JPXプライム150指数も続伸し、前引け時点で8.58ポイント(0.83%)高の1036.75だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6743億円、売買高は6億2272万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1556と、全体の8割超だった。値下がりは231銘柄、変わらずは47銘柄だった。
業種別株価指数は33業種すべて上昇し、海運業、証券・商品先物取引業、鉱業、輸送用機器、不動産業の上昇率が大きかった。
個別銘柄では、日経平均への寄与度が高いソフトバンクグループやファーストリテイリングが高く、レーザーテックや東京エレクトロンがしっかり。トヨタ自動車や日産自動車が上昇し、日本郵船など大手海運株も堅調だった。野村ホールディングス、第一三共とエーザイが値を上げた。三菱重工業、INPEX、コマツ、JFEなど景気敏感株が堅調。SHIFT、メルカリ、ベイカレントなどハイテク・グロース(成長)株の一角も高い。マネーフォワードは業績上方修正が好感され一時急伸した。
半面、アドバンテスト、スクリン、ソシオネクストが安く、ソニーグループやロームが下落した。みずほFGは年初来高値更新後に売られ、下落して終えた。ロームは東芝への資金拠出に対する懐疑的な見方から売り優勢。ファーマフーズ、日置電機は好決算ながらも出尽くし感から大きく売られている。
