316円安と大幅反落、リスク回避ムードで

 
13日午前の日経平均株価は反落し、前週末比316円17銭(1.14%)安の2万7354円81銭、東証株価指数(TOPIX)が10.42ポイント安の1976.54と、いずれも反落した。
 
きょう前場はリスク回避の売り圧力が強まった。前週末の米国株市場ではNYダウは切り返しに転じたものの、米長期金利の上昇が嫌気されてハイテク株には売りが優勢となりナスダック総合株価指数は下値模索の動きが続いた。
あすの米消費者物価指数(CPI)発表を控え、積極的な買いは入りにくかったが、週明けの東京市場でもこの流れを引き継いだ。日銀の金融政策の先行きに対する警戒感が重荷となっているほか、米株価指数先物が軟調な値動きとなっていることも買いを手控えさせている。日経平均は香港ハンセン指数の下落に伴って下げ幅を400円超に広げる場面があった。
 
米中関係の悪化が再び意識されるなか、米国による先端半導体の対中輸出規制が日本の半導体産業にも影響を及ぼすという見方から売りが強まった。
 
国内では10日夕に「政府が日銀の黒田東彦総裁の後任に経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏を起用する人事を固めた」と伝わった。日銀の新総裁のもとで金融緩和策の修正が進むという観測も根強く、銀行株には買いが向かう一方で全体相場には重荷となった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆4145億円、売買高は6億1957万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1164と、全体の約6割だった。値上がりは580銘柄、変わらずは91銘柄だった。

 
 


 
業種別株価指数(全33業種)では精密機器、繊維製品、化学の下落が目立った。上昇は鉱業、石油・石炭製品、銀行業など。
 
個別では、売買代金で1位と2位を占めたレーザーテックと東京エレクトロンがいずれも安い。ファーストリテイリング、アドテスト、ソフトバンクグループ(SBG)も下落した。資生堂が安く、メルカリも売りに押された。フロンティア・マネジメントが急落、エル・ティー・エスは一時ストップ安に売り込まれた。
 
半面、ホンダ、セコム、コムシスHDが上昇した。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが高く、日本郵船、商船三井など海運株も高い。三井松島ホールディングスは商いを伴い大幅高に買われ、前場の値上がり率トップに。テイクアンドギヴ・ニーズも活況高、エフオンなども大幅に水準を切り上げた。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次