20日午前の日経平均株価は小幅に続落し、午前終値は前日比31円74銭(0.08%)安の3万8438円64銭だった。一時は上げ幅を270円ほどに広げたが、ほどなく伸び悩んで再び下落に転じた。
きょう前場は、方向感の見えにくい地合いで取引前半は日経平均が水準を切り上げたが、後半は急速に値を消す展開となった。前日の米国株市場が休場だったことで手掛かり材料に事欠き様子見ムードが強い。半導体主力株が高安まちまちで全体相場もはっきりしない動きとなっている。
取引時間中に中国人民銀行の住宅ローン向け金利の引き下げ発表などが好感される形で投資資金を誘導する場面もあったが、買いは続かなかった。一方、前日終値近辺では押し目買いも観測され下げ幅は限られている。
21日に米半導体大手のエヌビディアの決算発表を控え、アドテストなどこのところの相場上昇をけん引してきた関連銘柄には利益確定売りが優勢となった。トヨタや三菱UFJなど割安(バリュー)株の一角が朝方に高値を更新した後に下落に転じたことも投資家心理を冷やしたとの声があった。
ランチタイムのアジア株式市場は、香港ハンセン指数が前日比小幅プラス、上海総合指数は前日比小幅マイナスと高安まちまちで、こちらも方向感に欠ける展開となっている。明日の海外時間で発表される米時価総額3位の半導体大手エヌビディアの決算発表を見極めたいとするムードが強いことから、後場の日経平均、TOPIXともに小動き推移となりそうだ。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは5.50ポイント(0.21%)安の2634.19だった。JPXプライム150指数は小幅に反発し、0.14ポイント(0.01%)高の1164.99で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆3527億円、売買高は8億2080万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は818、値上がりは782、横ばいは56だった。
業種別株価指数(33業種)は保険業、水産・農林業、パルプ・紙、銀行業などが下落した。上昇は海運業、機械など。
個別では、レーザーテックが安くアドバンテストも値を下げた。任天堂は下値模索が続いている。三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも冴えない。OLC、東京海上、SOMPOも売られた。トヨタ自動車もやや売りに押される展開。イトーキが急落、楽天グループも大きく値を下げた。
半面、安川電が朝安後に大幅上昇した。ソフトバンクグループがしっかり、SCREENホールディングス、ディスコなどが買われた。三菱重工業も物色人気。佐鳥電機、日東紡績が急騰、ニーズウェルが値を飛ばし、さくらインターネットも大幅高。オムロン、SMCが高かった。
