3日午前の日経平均株価は5営業日ぶりに反落し、前日比305円66銭安の2万7227円94銭で終えた。下げ幅は360円を超える場面もあった。日経平均は前日までの4営業日で1300円超上昇しており、幅広い銘柄で戻り待ちの売りが出た。半面、個人を中心に下値では押し目買いが入った。
前日の米国株市場ではNYダウなど主要株指数が揃って続伸基調を維持したが、ナスダック総合株価指数などの上値が重くなっており、東京市場でもハイテク主力株を中心に買い疲れ感が表面化した。米株価指数先物が大きく水準を切り下げていることも市場のセンチメント悪化につながっている。
主力の値がさ株の一角が売られ、相場を下押しした。ファストリは前引けで4%安となり、1銘柄で日経平均を93円ほど下押しした。半導体関連の下げも目立った。
日本時間3日午前の取引で主要な米ハイテク株で構成するナスダック100株価指数の先物が2%超の大幅下落となり、東京市場でも成長(グロース)銘柄に売りが目立った。高PER(株価収益率)銘柄の集まる東証株価指数(TOPIX)グロース指数は前引け時点で前日比1.47%安だった。
一方、TOPIXバリュー指数は0.08%高だった。市場では「投資家は2022年3月期(今期)業績より来期(23年3月期)以降に着目し、割安で伸びしろの大きそうな銘柄に資金をシフトしているようだ」との指摘があった。
JPX日経インデックス400とTOPIXは反落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆6479億円、売買高は6億5247万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1386と、全体の6割強を占めた。値上がりは666、変わらずは130銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は電気機器、海運業、機械などが下落。上昇はゴム製品、パルプ・紙、輸送用機器など。
個別では売買代金トップのレーザーテックが大きく値を下げ、東京エレクトロン、エムスリーも大幅安、ソニーGは前引けで6%超安となった。ファーストリテイリング、パナソニックも売られた。メドピアが値下がり率トップに売られ、ラクス、イリソ電子工業なども急落した。
半面、午前の取引時間中に今期業績の上方修正を発表した丸紅は上げ幅を広げた。デンソーが大幅高。NTT、コニカミノルも買われた。トヨタ自動車が頑強な値動きを示し、塩野義製薬、デンソーなどが逆行高。HOYAもしっかり。新日本科学が急騰、メンバーズも値を飛ばした。
東証2部株価指数は前日比33.53ポイント安の7194.78ポイントと5日ぶり反落した。
出来高は1億2816万株。値上がり銘柄数は115、値下がり銘柄数は241となった。
個別では、リンコーコーポレーション、日建工学が昨年来安値を更新。川上塗料、Abalance、田岡化学工業、タカトリ、シャルレが売られた。
一方、千代田化工建設、三精テクノロジーズ、SDSホールディングス、クオンタムソリューションズ、富士古河E&Cが買われた。
