301円安と反落、主力ハイテク株などが軟調

 
大納会となる30日午前の日経平均株価は反落し、午前終値は前週末比301円48銭(0.75%)安の3万9979円68銭と、心理的節目の4万円を下回った。
 
きょう前場は主力株中心に利益確定の売りが優勢だった。日経平均は300円あまりの下げをみせ、前引け時点でフシ目の4万円大台を割り込んでいる。前週末の米国株市場ではNYダウなど主要株価指数が揃って下落した。米長期金利の上昇を嫌気する形でハイテク株への売りがかさみ、ナスダック総合株価指数の下げが目立ったことで、東京株式市場でも輸出ハイテク株への売りを誘発する格好となった。全般薄商いで前場の売買代金は1兆6000億円台にとどまっている。ただ、中小型株への物色人気は旺盛であり、プライム市場の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数はほぼ同数となった。
 
東京株式市場ではファストリやソフトバンクグループ(SBG)などの値がさ株への売り圧力が強まり、指数を下押しした。日経平均は27日に大きく上昇した反動もあって、きょうは利益確定売りが出やすかった。
 
前週末27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、ナスダック総合株価指数も下落した。米長期金利が上昇して株式の相対的な割高感が意識され、幅広い銘柄が売りに押された。週明け30日の東京株式市場ではアドテストや東エレク、ディスコなどの半導体関連が軒並み売られた。
 
日経平均はこのまま終えるとチャート上で「かぶせ線」を形成する。「かぶせ線」は大陽線を形成した前営業日の終値より高く始まった後、引値は前日の終値を下回る状態を示す。T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは「『かぶせ線』を形成すれば、日本株は短期的に上値余地が乏しいとの見方につながりやすい」と話していた。

 
 


 
後場の日経平均株価は、上値の重い展開が続きそうだ。値がさ株の一段安で指数を押し下げており、後場も27日に大きく上昇した反動で引き続き利益確定売りが出やすい可能性がある。ただ、終値で心理的節目の4万円台を維持できるか注目しておきたい。
 
東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは11.70ポイント(0.42%)安の2789.98だった。JPXプライム150指数も反落し、7.66ポイント(0.61%)安の1239.47で前場を終えた。前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6176億円、売買高は7億5830万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は785。値上がりは783、横ばいは74だった。
 
業種別では、非鉄金属、サービス業、電気機器が下落した一方で、海運業、鉄鋼、鉱業などが上昇した。
 
個別では、ディスコや東エレク、アドバンテストなどの半導体関連株、川崎重工業や三菱重工業、ソフトバンクグループ、ファーストリテイリング、サンリオ、ソシオネクスト、日産自動車、トヨタ自、フジクラなどが下落となった。9-11月期は営業減益幅拡大となったアダストリアやEV向け半導体材料の量産計画を取りやめると報じられた住友電工が下落。ほか、セレス、シンフォニアテクノロジー、日本製鋼所などが値下がり率上位となった。
川崎重工業が値を下げも安い。セレスが急落となった。
 
一方、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友などのメガバンクど底堅く、商船三井や郵船などの海運株などが堅調に推移。また、DeNA、SHIFT、JTなどが上昇した。ほか、上半期営業増益率の拡大を評価されたウェザーニューズや第1四半期の順調な収益回復を好感されたマルマエが急騰、野村マイクロ・サイエンス、フィックスターズ、ダブルスタンダード、クロス・マーケティンググループなどが値上がり率上位となった。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次