300円高と反発、米株高と円安受け

 
28日午前の日経平均株価は反発した。前日比304円06銭(0.93%)高の3万2842円39銭で終えた。
朝方からリスク選好の地合いで日経平均は大きく切り返す展開となった。前日の米国株市場では発表された経済指標がいずれも市場予想を上回ったことで、米景気に対する過度な懸念が後退し市場のセンチメントが改善、ハイテク株中心に買い戻された。これを引き継いで東京市場でも幅広い銘柄にリバウンド狙いの買いが活発化した。
外国為替市場では1ドル=144円近辺まで円安・ドル高が進むなか幅広い銘柄が上昇した。日経平均は前日まで4日続落し、押し目買いも入りやすかった。
 
日経平均は寄り付き直後に一時350円近く上げた。円安基調を追い風にトヨタなどの輸出関連株が高く、銀行株や空運株の上げも目立った。値がさの半導体関連株も総じて上昇したが、米政権が人工知能(AI)向け半導体で新たな対中輸出規制を検討していると伝わり、朝方の買い一巡後は上値が重かった。
 
日経平均は伸び悩む場面も目立った。四半期末が近づき、年金などのリバランス(資産配分の調整)の売りが警戒された。もっとも、大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストは「中長期目線では押し目買いの機会と捉える投資家もおり、一定の底堅さをみせた」と話していた。
 
今晩は欧州中央銀行(ECB)主催のフォーラムで各国中央銀行の総裁らがパネル討論会に参加する予定だ。パウエルFRB議長などからは改めてタカ派な姿勢が示される可能性が高いと思われ、米ハイテク株がそれでも前日同様に強い動きを続けられるかに注目したい。
 
ほか、米ハイテク株を巡っては、バイデン米政権が中国への人工知能(AI)半導体輸出について新たな規制措置を検討していると一部報道で伝わっている。これを受けて米半導体エヌビディアの株価は時間外取引で3%下落している。本日の東京株式市場では、半導体株が大きく失速せずに上昇を維持しているため、相場への影響は限定的かもしれないが、生成AIブームの火付け役となったエヌビディア株が調整色を強めるようであれば、東京市場でも日経平均の上値抑制圧力として働くことになるだろう。

 


 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆8027億円、売買高は6億3994万株だった。東証株価指数(TOPIX)も反発した。東証プライムの値上がり銘柄数は1581と8割を超えた。値下がりは207銘柄、変わらずは44銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は空運業、証券・商品先物取引業、情報・通信業、銀行業などが上昇した。下落は海運業など。
 
個別ではレーザーテック、アドバンテストなど半導体製造装置関連の主力銘柄が高く、ソシオネクストは大幅高。NTTも商いを膨らませ大きく上値を追った。野村、ヤマハ発、キーエンス、ニデックなども値を上げた。ハニーズホールディングスが急騰、日本板硝子も値を飛ばした。
 
半面、川崎汽船、日本郵船などが利食われたほか、中外製薬、双日が軟調。サイボウズが大幅安、KLabも売られた。

 

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