29日のNYダウ工業株30種平均は6日続伸し、前日比300ドル03セント(0.74%)高の4万0527ドル62セントで終えた。6日続伸は昨年7月以来となる。
米国と貿易相手国との関税交渉の進展期待が引き続き相場を支えた。決算を発表した銘柄に買いが入ったことも指数を押し上げ、ダウ平均の上げ幅は400ドルを超える場面があった。
ラトニック米商務長官はこの日、米テレビのインタビューで、ある国との貿易交渉が既にまとまり、相手国の正式な承認を待っていると述べた。市場は発言を「交渉が前に進んでいる」兆しと受け取り、買い注文が加速した。
同日発表した決算が投資家の予想を上回ったハネウェル・インターナショナルや、シャーウィン・ウィリアムズが上昇を主導した。一方、関税政策を巡る先行き不透明感は根強く、この日発表された米経済指標が弱い内容だったこともあり、上値は限られた。
同日発表した決算が投資家の予想を上回ったハネウェル・インターナショナルや、シャーウィン・ウィリアムズが上昇を主導した。一方、関税政策を巡る先行き不透明感は根強く、この日発表された米経済指標が弱い内容だったこともあり、上値は限られた。
トランプ米政権は29日、自動車・部品関税の負担軽減措置を発表した。米国内で生産する完成車を対象に、生産に使った輸入部品にかかる関税を一部免除する。市場では「米政権の関税に対する強硬姿勢が和らいでおり、株買いの安心感につながっている」との指摘があった。
ハネウェル・インターナショナルが5.3%高で終えた。29日朝に発表した2025年1〜3月期決算で売上高と特別項目を除く1株利益が市場予想を上回った。25年12月期通期見通しがほぼ市場予想の範囲にとどまったことも好感された。決算を発表したシャーウィン・ウィリアムズも4.7%上昇した。
ダウ平均は伸び悩み、小幅に下げる場面があった。29日午前発表の4月の米消費者信頼感指数は86.0と前月から悪化し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(87.3)も下回った。関税政策を巡る不透明感が消費者心理を悪化させているとの見方は相場の重荷だった。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、アムジェンやメルクが上昇した。IBMも買われた。半面、ユナイテッドヘルス・グループとマクドナルドが下げた。
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比95.185ポイント高の1万7461.318(速報値)で終えた。メタプラットフォームズやテスラが上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
29日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比160円高の3万6085円で終えた。この日は日本が祝日だったものの、米国と貿易相手国との関税交渉が進展するとの期待から米株式相場が上昇し、シカゴ市場の日経平均先物には買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
36085 ( +175 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
36155 ( +245 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
29日の英FTSE100種総合株価指数は12日続伸し、前日比46.12ポイント(0.54%)高の8463.46で終えた。12日続伸は、2016年12月下旬から17年1月にかけて14日続伸して以来の長さとなる。
29日に2025年1〜3月期決算とあわせて新たな自社株買い計画を公表した英HSBCホールディングスをはじめ銀行株が上昇し、指数を押し上げた。製薬の英アストラゼネカなどヘルスケア関連や公益に買いが優勢だった。一方で衣料・食品小売りのアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズ(ABF)が下落。29日公表した25年1〜3月期決算が前年同期比で大幅減益となった英BPなどエネルギーが下げた。
FTSEの構成銘柄では、システムキッチンメーカーのハウデン・ジョイナリーが4.60%高、賭け屋大手エンテインが3.28%高、航空・防衛大手BAEシステムズが2.92%高と相場をけん引。一方、食品・小売り大手アソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズは9.16%安と急落し、石油大手BPは2.43%安、建機レンタルのアシュテッド・グループも2.37%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
29日のドイツ株価指数(DAX)は6日続伸し、前日比154.16ポイント(0.69%)高の2万2425.83で終えた。終値として、トランプ米大統領が相互関税の詳細を公表する前の4月1日以来の高値となる。直近四半期について好業績を発表した銘柄に買いが入り、指数を支えた。
個別では、28日に2025年1〜3月期の売上高や営業利益が前年同期比で大幅増になったと公表した防衛大手ラインメタルが8.51%高、ドイツ銀行が5.04%高、コメルツ銀行が3.98%高と大きく上昇。半面、高級車メーカーのポルシェは4.13%安、スポーツ用品大手アディダスは3.22%安、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは1.92%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は6営業日ぶりに反落し、前日比0.23%安で終えた。
