今週の東京株式市場は、企業業績の拡大期待を背景とした買いが続く一方、月初からの株価急伸から警戒感が強まっており、当面の利益を確保する売りが増えそうだ。
日経平均株価は。2万2000円前後でのもみ合いが予想される。
27日には日経平均が1996年7月以来約21年ぶりに2万2000円台で取引を終えた。
今週は30、31日の両日、500社を超える上場企業が7~9月期の決算発表に臨む。大方の企業の期初想定よりも為替が円安で推移してきたことなどから、「電機や機械など輸出企業を中心に、業績予想の上方修正が相次ぐ」と期待されている。
一方、日経平均は9月末から今月27日までに1652円上昇し、「過熱状態にある」との声は多い。円相場の上昇や米国株の下落といった株価のマイナス材料が出てくれば、急騰の反動から大量の売りが予想される。
ただ、短期的に株価が下げても「大幅安には進展しないだろう」と、楽観的な見方が多い。
30日の東京株式市場は、軟調な展開か。
日経平均株価の予想レンジは、2万1800円-2万2100円を想定する。
前週末に日経平均株価は終値ベースで、心理的なフシ目となる2万2000円台に乗せている。短期的な達成感が浮上し、利益確定売りが優勢となりそう。
為替相場は、ドル・円が1ドル=113円台の後半と円高に振れている。円高による業績への影響を警戒し、売りが優勢となる場面もありそう。シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、27日の大阪取引所終値比変わらずの2万2050円だった。
東証寄り付き前段階での主要外国証券経由の注文動向は、売り680万株、買い850万株で、差し引き170万株の買い越し。買い越しは2営業日ぶり。金額は売り越し。
売りセクターに、精密、小売、電機、陸運、REIT、サービスなど。買いセクターに、機械、ゴム、電機、小売、サービスなど。
【好材料銘柄】
■ゲオホールディングス <2681>
今期経常を一転49%増益に上方修正。
■大阪工機 <3173>
上期経常を65%上方修正・3期ぶり最高益更新へ。
■イソライト工業 <5358>
今期経常を一転39%増益に上方修正・最高益、配当も2円増額。
■タカラトミー <7867>
上期経常を2.3倍上方修正・8期ぶり最高益、通期も増額、配当も4円増額。
■ニッキ <6042>
上期経常を2.1倍上方修正、通期も増額。
■三社電機製作所 <6882>
今期経常を2.3倍上方修正。
■アートスパークホールディングス <3663>
1-9月期(3Q累計)経常は11%増益・通期計画を超過。
■日本コンピュータ・ダイナミクス <4783>
今期経常を32%上方修正・最高益予想を上乗せ。
■Nuts <7612>
米国大学病院と国内医療機関との業務提携による最先端医療施設の開設を支援する子会社を設立し、医療関連事業へ新規参入。
■ブライトパス・バイオ <4594>
国立がん研究センターと、ネオアンチゲン(がん細胞の遺伝子変異を含む抗原)ワクチンによる完全個別化がん免疫療法の共同研究契約を結んだ。個々の患者ごとに異なるネオアンチゲンを標的とした完全個別がんワクチンの創製をめざす。
【主な経済指標・スケジュール】
30(月)
9月商業動態統計(8:50)
日銀金融政策決定会合(~10/31)
《決算発表》
JPX、積水化、塩野義、花王、神戸鋼、マキタ、TDK、アルプス、スタンレ電、京セラ、オリックス、野村HD、JR西日本、リコー、OLC、キーエンス、任天堂、ミスミG、TOTO、スタートトゥ
【海外】
米9月個人支出(21:30)
米ダラス連銀製造業活動指数(23:30)
《米決算発表》
SBAコミュニケーションズ、ノーブル・エナジー
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
