3日続落290ドル安、長期金利上昇を嫌気

17日のNYダウ工業株30種平均は3日続落した。前日比290ドル91セント(0.8%)安の3万4474ドル83セントと7月中旬以来の安値で終えた。

直近の米経済指標でインフレの根強さが示され、連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの見方がくすぶる中、長期金利の指標である10年債利回りが一時4.3%台に跳ね上がった。金利上昇局面で割高感が増し、アップルやマイクロソフトなどハイテク株が売られた。
金利上昇で資金調達コストの負担が増し、利ざやが悪化するとの懸念から、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株も下げた。

小売りのウォルマートは17日に四半期決算を発表。併せて2024年1月期通期の業績見通しを上方修正したものの、売上高の伸びが市場予想に届かなかった。株価は高く始まった後に下げに転じ、2%安で終えた。売りは他の消費関連株にも及び、ホームセンターのホーム・デポとスポーツ用品のナイキが下落した。

17日発表の週間の新規失業保険申請件数は23万9000件と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(24万件)を下回った。労働需給の引き締まりが続き、米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を長期にわたって高く維持するとの警戒感は強い。金利の上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株は相対的な割高感が意識され、顧客情報管理のセールスフォースとスマートフォンのアップルが下げた。

ダウ平均は前日におよそ1カ月ぶりの安値を付けていた。朝方は値ごろ感があるとみられた主力銘柄に買いが先行。ダウ平均は100ドルあまり上昇する場面があった。構成銘柄では、四半期決算が市場予想を上回ったネットワーク機器のシスコシステムズが3%上昇。原油高で石油のシェブロンも買われた。

ナスダック総合株価指数は3日続落した。前日比157.696ポイント(1.2%)安の1万3316.932と6月上旬以来の安値で終えた。電気自動車のテスラと交流サイトのメタプラットフォームズの下げが目立った。
 


【シカゴ日本株先物概況】

17日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比310円安の3万1380円で終えた。消費関連株への売りや米長期金利の上昇が嫌気され、米株式相場が3日続落した。
東京株式市場では日経平均株価が2カ月半ぶりの安値となっており、シカゴ市場でも先物に売りが優勢だった。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
31380 ( -290 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
31395 ( -275 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7310.21(-46.67)

17日のFTSE100種総合株価指数は5日続落。前日に比べ46.67ポイント(0.63%)安の7310.21で終えた。連日で1カ月ぶりの安値を付けた。英航空・防衛大手のBAEシステムズが17日、飲料容器メーカーの米ボールから、同社のエアロスペース事業を現金約55億5000万ドルで買収することで合意したと発表した。相乗効果で利益率が向上するとの期待はあるものの、買収金額の大きさから目先の負担感が意識され、前日比4%強安で終えた。

金融引き締め長期化による金利の高止まりや経済への悪影響への懸念から、資本財や医薬品、食品・飲料・たばこセクターを中心に売りが出た。

FTSE100の構成銘柄のうち、約8割が下落。オンライン食品販売大手オカド・グループが5.54%安と下落幅トップ。賭け屋大手エンテインが4.82%安、航空・防衛大手BAEシステムズが4.66%安と続いた。一方、資源大手リオ・ティントは1.69%高、同グレンコアは0.97%高だった。

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15676.90(-112.55)

17日のドイツ株価指数(DAX)は反落した。前日に比べ112.55ポイント(0.71%)安の1万5676.90と、7月10日以来約1カ月ぶりの安値で取引を終えた。重要な輸出先である中国経済の低迷が重荷だった。欧米の主要中央銀行による金融引き締め長期化観測から、世界的に金利が上昇しているのも投資家心理を冷やした。テクノロジーや自動車、資本財セクターが売られた。

個別では、業務用ソフトウェア大手SAP(2.53%安)や半導体大手インフィニオン・テクノロジーズ(2.26%安)、ドイツ取引所(2.12%安)が売られた半面、ミュンヘン再保険(1.27%高)やエネルギー大手エーオン(1.13%高)などが買われた。

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7191.74(-68.51)

フランスCAC40種指数は0.94%安だった。高インフレによる金融引き締めの長期化懸念も、押し下げ要因となった。

 

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