23日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比154ドル02セント(0.5%)安の3万2909ドル59セントで終えた。
米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを続けるとの警戒感が根強く、売りが優勢となった。
株価は6月半ば以降、利上げペース減速への期待などに支えられて上昇基調をたどってきたが、足元では利上げに積極的なFRB高官の発言を手掛かりに、売り優勢に転じている。市場は今後の利上げをめぐるさらなる手掛かりを探ろうと、26日にワイオミング州ジャクソンホールで行われるパウエルFRB議長の講演に注目。講演を控え警戒感が広がっている。
米長期金利が23日に一時3.07%とほぼ1カ月ぶりの高水準を付けたのも、株式の相対的な割高感を意識させた。
さえない米経済指標も投資家心理の重荷となった。米S&Pグローバルが23日に発表した8月の米購買担当者景気指数(PMI、速報値)は総合指数が2カ月連続で好不況の分かれ目となる50を下回り、2年3カ月ぶりの低水準となった。7月の米新築住宅販売件数は6年半ぶりの低水準だった。
ダウ平均は前日までの2営業日で930ドルあまり下落したが、23日はその間に比較的値持ちのよかったディフェンシブ株が売られた。日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や医療保険のユナイテッドヘルス・グループが安い。
一方、原油高を背景に石油のシェブロンが3%上昇。原油が上がると買われやすい建機のキャタピラーや化学のダウも上昇し、ダウ平均を下支えした。足元で売りが目立ったハイテク株の一角も買い直された。
ナスダック総合株価指数は小幅に3日続落し、前日比0.272ポイント安の1万2381.301で終えた。主力株はまちまち。エヌビディアなど半導体株が買い直され、指数は高くなる場面もあった。
【シカゴ日本株先物概況】
23日のシカゴ日経平均先物は小幅続落。9月物は前日比5円安の2万8460円で引け、23日の大取終値を70円上回った。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が26日の米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)の講演で、利上げに積極的な姿勢を示すとの見方が広がり、米利上げ継続を警戒する売りが米株式市場に出て、日経平均先物もつれ安となった。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
28460 ( +70 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
28465 ( +75 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7488.11(-45.68)
23日のロンドン株式市場でFTSE100種総合株価指数は続落した。前日に比べ45.68ポイント(0.61%)安の7488.11で引けた。23日発表の8月の英国の購買担当者景気指数(PMI、速報値)が前月から低下した。英経済の冷え込みが意識され、消費関連株や資本財株など幅広い銘柄に売りが出た。
FTSEでは、指数構成銘柄の約8割が下落。オンライン食品販売大手オカド・グループが5.0%安と下落率が最大だった。ビジネス情報会社インフォーマと医療機器・精密部品大手スミスグループがそれぞれ4.4%安、3.7%安で続いた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13194.23(-36.34)
23日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落した。前日に比べ36.34ポイント(0.27%)安の1万3194.23で終えた。23日に発表された8月のドイツの購買担当者景気指数(PMI、速報値)が前月から低下し、2年2カ月ぶりの低水準だった。ドイツ経済の悪化懸念から消費関連株やハイテク株に売りが出た。
DAXでは、製薬会社サルトリアスが3.2%安、スポーツ用品大手プーマが1.9%安、食材宅配大手ハローフレッシュが1.6%安と売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6362.02(-16.72)
フランスCAC40種指数は0.26%安だった。
燃料危機の影響で景気後退が警戒され上値が抑制された。
