米連邦議会ではトランプ減税延長を柱とした減税・歳出法案の審議が進み、上院が近く修正案を採決する見通しだと伝わる。米政権は7月4日までの法案成立を目指しており、法案成立を巡る懸念が薄れていることも米株相場を支えた。月末と四半期末とあって、運用成績をよく見せるための機関投資家による「お化粧買い」などが入りやすい面もあった。
個別銘柄ではゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースが買われた。米連邦準備理事会(FRB)が前週末に米大手銀行を対象にしたストレステスト(健全性審査)で「深刻な景気後退に耐えられる状態」との結果を公表し、配当余力が高まったとの見方から買いが入った。アップルやハネウェル・インターナショナル、ビザも上昇した。半面、ボーイングやアマゾン・ドット・コム、ナイキは下げた。
ダウ平均は月間では1824ドル高となり、2カ月連続で上昇した。
ナスダック総合株価指数は6日続伸した。前週末比96.274ポイント(0.47%)高の2万0369.733(速報値)で終えた。前週末に続いて最高値を更新した。人工知能(AI)関連銘柄への買いも続くなか、メタプラットフォームズやオラクル、ブロードコムが高値を更新。パランティア・テクノロジーズも買われた。ナスダックは月間で6.5%高と、3カ月連続で上昇した。
S&P500種株価指数は3日続伸し、前週末比31.88ポイント(0.51%)高の6204.95で終えた。前週末に続いて最高値を更新。月間では4.9%高となり、2カ月連続で上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
6月30日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前週末比250円安の4万0295円で終えた。この日は日米で株式相場が上昇したものの、シカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢となった。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
6月30日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前週末比37.95ポイント(0.43%)安の8760.96で終えた。週内に発表される欧米の経済指標や米関税政策の成り行きを見極めたいと投資家が様子見姿勢に傾いたことでドイツ株価指数(DAX)やフランスのCAC40が下げ、英FTSE100種指数にも売りが出やすかった。
FTSEの構成銘柄では、資産運用大手インターメディエイト・キャピタル・グループが4.17%安、住宅大手バラット・レッドローが3.80%安、同業パーシモンが3.79%安と下げを主導。半面、産金大手エンデバー・マイニングは2.39%高、たばこ大手インペリアル・ブランズは1.88%高、通信大手エアテル・アフリカは1.81%高となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
6月30日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反落し、前週末比123.61ポイント(0.51%)安の2万3909.61で終えた。週内に発表されるユーロ圏の物価統計や米雇用統計のほか、米関税政策の成り行きを見極めたいとの雰囲気が広がる。株式への積極的な買いが手控えられた。
DAXは6月1カ月間では0.36%下落した。月間での下落は3カ月ぶりとなる。
個別では、香料大手シムライズが6.68%安、製薬大手バイエルが5.34%安、ドイツ銀行が3.19%安と急落。一方、通販大手ザランドは3.10%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーは2.68%高、防衛大手ラインメタルは2.63%高と上昇した。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は反落し、前週末比0.33%安で終えた。6月の月間では1.10%下落した。
